16日のフィギュアスケート男子ショートプログラムには30人が出場した。羽生結弦の圧巻の演技に心を揺さぶられた一方で、常夏の国、マレーシアから初出場した20歳のイー・ジージエのガッツポーズも心に残った。夢の舞台でトリプルアクセルを見事に決めて25位。上位24人に与えられるフリー出場権はあと一歩で逃したが、母国に新たな歴史を刻んだ自己ベストの演技に満足そうだった。 男子SPで演技を見せるジュリアン・イー・ジージエ(AP) 1年半前にカナダに拠点を移すまで、ずっと地元の商業施設に併設された小さなスケートリンクで練習してきたという。日本人が羽生の演技を誇らしい気持ちで見ていたように、マレーシアの人たちもまた、同じ思いでイーの演技に声援を送っていたに違いない。夢に向かって挑戦するひたむきな姿は、レベルを超越して、人に感動と勇気を与えてくれるのだ。 2000年シドニー大会で競泳男子100メートル自由形