1994年の4月から「週刊こどもニュース」を立ち上げようという1993年11月、 こども番組担当のディレクターだった33歳の杉江義浩はNHKのある一室で池上彰と初めて出会った。 僕は池上のカバンを持ってみた。ずっしりとした感触。開けてみていい?と聞くと、どうぞというので開けてみた。ハードカバーの新刊書が5冊入っていた。へえ、こんな難しい本読むんですね、という杉江に池上は「君たちは読まないの?」と不思議そうな顔をしていた。 僕が驚いたのはそのことではない。翌日も、その翌々日もまったく別の新刊書がカバンの中に入っていた。毎日5冊以上の本を読むのは、池上彰にとってごく日常的なことだったのだ。池上は毎日出局すると2時間かけて新聞5紙を隅から隅まで読みつくす。これもまた池上彰にとっては日常的な習慣であった。それまでアニメや人形劇を演出してきた番組制作局こども番組部のディレクターたちには、そんな習慣は
![(第1回)池上彰のカバンは重い - 池上彰ファンクラブ公式サイト](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8d71ff5111e05619a10d29bb40d7aebaa75c8fbc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fs0.wp.com%2Fi%2Fblank.jpg)