自軍の攻撃が2アウトまで来ると、切り替わるスイッチ。1球、2球、3球……と、徐々にボールに力を込める。3アウトになるのを見届け、マウンドを降りてブルペンをあとにする。 ピッチャー交代のアナウンスにスタンドが沸き上がる。 「よっしゃ」と背筋が伸びる瞬間である。 ライオンズのクローザー、増田達至は5月28日現在、16試合に登板し8セーブを挙げている。セーブの数では首位を走る東北楽天ゴールデンイーグルスの松井裕樹、福岡ソフトバンクホークスのサファテ、オリックス・バファローズの平野佳寿に次ぐリーグ4位。格別に秀でた数字を残しているわけではないが、2016年、試合のいちばん最後を任されるクローザーに抜擢されて以来、常に安定した働きを見せている。「勝ち星を消された記憶がない」と、野上亮磨も語る西武のリリーフエースである。 「試合に登板する数が増えてきて、開幕に比べるとどんどん状態も上がってきています。