正直に告白すると私はこの1年間くらい極端なスランプが続いている。去年「パブリックマン宣言」をしたころはイケイケのノリだったのだが、その後、自分の中の矛盾の存在を無視できなくなり、放浪するように、ドイツ・ベトナムに滞在し、去年の年末、日本に戻ってきた。 日本に帰ってきても、気に食わないことばかり。外国に慣れてしまった身には、日本の事物の一つ一つの特異さにイラつかされた。ふたたび海外に脱出しようと画策した。米国の大学院で博士号でもとれば人生をやり直せるのではないか、とも思った。しかし、カネが足りない。八方塞がりだと思った。 私は、日本人が海外に出ることに関しては非常に肯定的だ。とくにいままで日本から離れたことがない若い人は、ぜひ海外に留学か就労という形で数年間住んでみることをおすすめする。日本と外国の違いを知り、日本を相対的な目で見られることになることを通じて、人格的な成長が得られると思う。