憶測の域を脱しないかもしれない。しかし、6月に入って、米国とロシアは、シリア、とりわけアレッポ県の分割で合意したかのように軍事的攻勢を強めている。 アレッポ県の現況 アレッポ県は現下のシリアでの紛争における最大の係争地である。そこでは、シリア軍、YPG(民主統一党(PYD)が主導する西クルディスタン移行期民政局の武装組織)、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動やイスラーム軍などのイスラーム過激派、「穏健な反体制派」と目される武装集団、ロシア軍、イラン軍、イラン人、イラク人などの民兵、レバノンのヒズブッラー、米軍主導の有志連合、そしてトルコ軍が入り乱れて、激しい戦闘を続けている。 シリア最大の商業都市であるアレッポ市は、東部をいわゆる「反体制派」(ヌスラ戦線、そしてこれと連携するシャーム自由人イスラーム運動や「穏健な反体制派」)が掌握する一方、ア