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ブックマーク / saebou.hatenablog.com (18)

  • 一番セックスしない奴が勝つスラッシャー映画~『首』(ネタバレ・下ネタ注意) - Commentarius Saevus

    北野武監督『首』を見てきた。 www.youtube.com 織田信長(加瀬亮)の家臣たちの権力闘争を軸に能寺の変とその後の展開を描いた時代劇である。史実に忠実かどうかはあまり考えず、家臣たちの憎々しく暑苦しい人間関係や策謀を描くことに重点を置いている(このへんちょっとコーエン兄弟の『ミラーズ・クロッシング』に似ていると思った)。暴力描写も最初から最後までけっこうすごいが、笑うところはたくさんある。とくに豊臣秀吉(監督人)、羽柴秀長(大森南朋)、黒田官兵衛(浅野忠信)のやりとりはまるでコントみたいである。 一応時代劇…なのだが、なんか一番セックスしない奴が生き残るスラッシャーホラー映画みたいな作品である。スラッシャームービー(slashじゃなくてslasherのほう。まあこの映画はslashでもあるのだが)といえばセックスにふけるティーンエイジャーが殺され、性的に純潔なファイナルガール

    一番セックスしない奴が勝つスラッシャー映画~『首』(ネタバレ・下ネタ注意) - Commentarius Saevus
  • ハムレットが『スター・ウォーズ』に出てる!~『DUNE/デューン 砂の惑星』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『DUNE/デューン 砂の惑星』を見た。フランク・ハーバートによる原作があるのだが、ホドロフスキーによる実現しなかった映画化計画あり(経過は『ホドロフスキーのDUNE』というドキュメンタリーになっている)、デヴィッド・リンチによるいわくつきの映画化(編集権などのトラブルでアラン・スミシー名義の版が出回っていたりする)あり、ドラマあり、これまで何度か映像化の試みがあったものである。大変スケールが大きく、長い話で、こちらの映画化は第一作の半分くらいを扱っている。 www.youtube.com 未来の宇宙帝国が舞台である。名門アトレイデス家とハルコンネン家は長年対立していたが、ハルコンネン家は非常に高価なスパイスの産地である砂漠の惑星アラキスの採掘と交易からくる財力で力をつけていた。ところが皇帝の命でアトレイデス家がアラキスに赴任することになる。アトレイデス公爵家の御

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  • 小児性愛っぽさを全力で避けた結果、近親相姦ロマンスに~『夏への扉 キミのいる未来へ』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『夏への扉 キミのいる未来へ』を見てきた。ハインラインの有名小説(この小説がこんなに読まれているのは日特有の現象らしいのだが)の映画化である。 www.youtube.com 舞台は1995年である。主人公の宗一郎(山﨑賢人)は両親の死亡で知り合いの研究者の家に引き取られ、その家の娘である璃子(清原果耶)とネコのピートと一緒に育てられる。長じて開発者となった宗一郎は会社で先端的なロボットや電池の開発に従事し、秘書の白石鈴(夏菜)と付き合い始めるが、鈴は実は会社のトップで現在、璃子を引き取っていた和人(眞島秀和)と結託して宗一郎を追い出すつもりだった。宗一郎はショックでコールドスリープ(冷凍冬眠)に入ることに決めるが、契約後に鈴や和人と対決することに決める…ものの鈴に反撃され、無理矢理コールドスリープに入れられてしまう。30年後の2025年に目覚めた宗一郎は、介護用ヒューマノイドのピート(

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  • 最も応援上映してはいけない映画~『主戦場』 - Commentarius Saevus

    『主戦場』を見てきた。日系アメリカ人であるミキ・デザキが監督をつとめたドキュメンタリー映画で、従軍慰安婦をめぐる論争を扱ったものである。 www.youtube.com 全体的に非常にわかりやすく、テンポのいい編集でエンタテイメントらしく作られたドキュメンタリーである。マイケル・ムーアみたいに監督が出てきて面白おかしく自分の意見を主張したりするというわけではないのだが、編集などがいちいち気が利いており、見ていて飽きない。デザキ監督がこういう映画を撮ろうと思ったのは、日でネット右翼に攻撃されたことがきっかけだそうだ。 基的にはいろいろな人にインタビューしているだけなのだが、否認主義者たちが人たちは冷静に話しているつもり…なんだと思うものの、学問的議論どころか倫理的に問題がある発言を(自分たちはまともな主張だと思って)連発しており、笑うしかないようなところがたくさんあった。サンフランシス

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  • 邪神論の神と大地母神の戦いをカワイく描いたゆるふわ神学ファンタジー!〜『神様メール』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    ジャコ・ヴァン・ドルマル監督のベルギー映画『神様メール』を見た。 舞台はブリュッセル。神はブリュッセルに実在し、アパートで旧式のコンピュータを使って人間の運命を管理していた。神はサイテーなヤツで、や娘にはつらくあたり、人間たちにはたちの悪いイタズラばかりしている。長男であるJC(つまりイエス・キリスト)はこんな親父に愛想をつかして出ていってしまったし、10歳の娘エアもあまりに親父がひどすぎるので反逆を決意。人間全員に余命を教え、外の世界に出かけて行って自分の使徒をさがすことにする。エアはホームレスのおじいちゃんヴィクトールを福音記者(?なのか?)として選び、使徒としてテキトーに6人を選ぶ。この6人は皆ひとくせある人々で、余命を知った後には殺し屋をはじめたり、女遊びにうつつをぬかしたり、男の子から女の子になったりするが、使徒となって人生に変化が… とにかくヘンな映画だが、キリスト教神学とか

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  • いったい何をしたかったのか…『レディ・ガイ』 - Commentarius Saevus

    ウォルター・ヒル監督『レディ・ガイ』を見てきた。 主人公である殺し屋フランク・キッチン(ミシェル・ロドリゲス)は、天才的なマッドサイエンティスト、ジェーン医師(シガーニー・ウィーヴァー)の弟を殺したせいで恨みを買い、ジェーン医師に無理矢理性転換手術を施されて女になる。復讐を誓うフランクだが… 髭ぼうぼうの色男の殺し屋から美しい女性に変身して人を殺しまくるミシェル・ロドリゲスと、シェイクスピアやエドガー・アラン・ポーの小ネタを出すシガーニー・ウィーヴァーは悪くはないのだが、それ以外は何をしたかったのかさっぱりわからない映画である。この映画トランスジェンダーコミュニティから差別的だとして批判されたということなのだが、おそらくこの映画トランスジェンダーを描いているつもりは全く無い…というか、そもそも何を描いているのか人たちもよくわからなかったのではないかというくらいぱっとしない。 何か「性

    いったい何をしたかったのか…『レディ・ガイ』 - Commentarius Saevus
  • POV、手持ち、客観〜『シン・ゴジラ』 - Commentarius Saevus

    『シン・ゴジラ』をやっと見た。ゴジラもエヴァンゲリオンも一切見たことが無く、TOHOフリーパスがもらえて時間ができなければ行かなかっただろうと思う。ということで、けっこう面白いとは思ったのだが知識がなさすぎてあんまり分析できない… ひとつちょっと気になったのはPOVショットと手持ちカメラの使い方である。映画は海に取り残されたボートを調査するというところから始まるのだが、ここでは調査をしている海岸警備の人たちが手持ちカメラでボートを記録するという、それこそ『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』かなんかかというような古式ゆかしいPOV撮影になっている。ちなみにこの場面はどうやらファウンドフッテージであるらしい(撮影者はおそらく生きてないだろう)。この他にも前半はけっこう一般人POVでファウンドフッテージ風に撮ったブレブレの手持ち撮影がけっこうあるし、ニコニコ動画らしい映像とかツイッター画面などいろ

    POV、手持ち、客観〜『シン・ゴジラ』 - Commentarius Saevus
  • 二級市民には意見を伝える手段すらない〜『サフラジェット』(『未来を花束にして』) - Commentarius Saevus

    『サフラジェット』(『未来を花束にして』というタイトルだが、全く酷い日語タイトルである)を見てきた。1912年のロンドンを舞台に、洗濯工場でクズ上司のセクシャルハラスメントに苦しみながら働くモード(キャリー・マリガン)が女性参政権運動に参加するようになり、サフラジェットの闘士として戦う様子を描いた作品である。 全体としては、これまでミドルクラス以上の活動家が注目されがちだった女性参政権運動について、ワーキングクラスの女性たちに焦点をあてる近年の研究成果を反映した作品になっている(これについてはCarol Dyhouse, Girl Trouble: Panic and Progress in the History of Young Womenのレビューでちょっと触れたことがある)。サフラジェットというのはこの映画にも出てきたWSPUのメンバーを中心とする戦闘的な女性参政権活動家のことで

    二級市民には意見を伝える手段すらない〜『サフラジェット』(『未来を花束にして』) - Commentarius Saevus
  • 移民する女と田舎町の恐怖〜『ブルックリン』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『ブルックリン』を見てきた。 これ、予告に出てくるようなセンチメンタルな話ではなく、けっこうキツいところもある話である。あと、田舎で育って都会に出た経験がある人なら皆もう頷きまくってしまうところがたくさんあると思う。 1950年代初頭、閉鎖的なアイルランドの田舎町の娘エイリシュ(シアーシャ・ローナン)は職を求め、母と姉ローズを置いてニューヨークに移民することにする。最初は世間知らずな田舎娘でつらい思いをし、ホームシックにかかるが、やがて田舎では生かせなかった才能を開花させ、神父様の助けでブルックリン・カレッジで簿記を習って資格を取得する。イタリア系の青年トニー(エモリー・コーエン)とも恋仲になり、結婚まで申し込まれてすっかりアメリカ生活に慣れていく。ところが姉が急死したという連絡があり、エイリシュは帰国することにする。不安になったトニーは帰国前にエイリシュに秘密結婚を持ちかけ、2人は市役所

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  • ちゃんとした恋愛映画〜『デッドプール』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『デッドプール』を見てきた。 話はたいへん単純な復讐劇で、悪党のせいでアイデンティティと愛を失った男が復讐を遂げるというものである。主人公ウェイド(ライアン・レイノルズ)は恋人ヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と幸せに暮らしていたが、ある日突然ガンが発覚。治療のため怪しい人体実験に参加するが、このせいで皮膚がただれた不死身の超人になってしまう。ウェイドはデッドプールという変名で復讐に邁進するが、変わり果てた姿になってしまったためヴァネッサに再会したら拒絶されるのではと不安に思っており、自分が死んだと信じているヴァネッサの前に姿を現すことをためらい続ける。ところがヴァネッサが敵であるフランシスに誘拐され… ところが、この単純な復讐譚を時系列をバラバラにして、さらに独白、傍白、第四の壁の突破(これ全部違うので注意)などいろいろなテクニックを使って撮影しているので、話がものすごくシンプルなわりに

    ちゃんとした恋愛映画〜『デッドプール』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
  • 画面の全てが女の心を映す〜『キャロル』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    トッド・ヘインズ監督の新作『キャロル』を見てきた。原作はパトリシア・ハイスミスの『キャロル』である。とにかくびっくりするくらいよくできている映画だ。 1952年のニューヨークを舞台に、ふたりの女性の恋を描いた映画である。離婚を控えた美しい中年女性キャロル(ケイト・ブランシェット)がデパートで働く写真家志望の若い娘テレーズ(ルーニー・マーラ)と出会い、恋に落ちる。ところがキャロルの夫であるハージ(カイル・チャンドラー)が独占欲を発揮し、キャロルの性的指向をネタに娘リンディの親権を奪おうとしはじめる。キャロルは窮地に陥り、一度はテレーズと別れようとするが… まず、監督であるトッド・ヘインズのこだわりがすごい。全体的にどの画面も完璧に美しく50年代風で、かつ意味のあるものに見えるよう計算し尽くされており、たいしたことが起こらないような場面でも細部まで緻密なので観客は気が抜けず、はっきり言って見て

    画面の全てが女の心を映す〜『キャロル』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
  • 非常にきちんと作られた映画だが、物足りないところも〜『不屈の男 アンブロークン』 - Commentarius Saevus

    右翼団体の抗議のせいで日公開がトラブったアンジェリーナ・ジョリー監督作『不屈の男 アンブロークン』を見た。アメリカのオリンピック選手で、日軍の捕虜収容所に入っていたルイス・ザンペリーニの伝記映画である。 とりあえずザンペリーニの人生が波瀾万丈すぎて、一に四分くらいの素材が詰め込まれた作品である。アメリカ田舎町に住むイタリア系移民の息子だったザンペリーニが非行少年になりかけていたところ、兄によって陸上の才能を認められ、特訓の末に才能が開花。ベルリンオリンピックに出場するまでになる(この部分はスポーツ映画)。ところがメダルを狙えたはずの東京オリンピックは戦争で中止になり、ザンペリーニは航空隊に入隊し、枢軸国と空中戦を繰り広げる(この部分は戦争映画)。ところがある日航空機が故障で海上に墜落、生き残った戦友ふたりと飢えや渇きに苦しみながら一ヶ月以上海を漂流するという地獄体験を味わうことに

    非常にきちんと作られた映画だが、物足りないところも〜『不屈の男 アンブロークン』 - Commentarius Saevus
  • 来学期から東京大学非常勤を辞めることになりました - Commentarius Saevus

    今年で東大駒場の非常勤講師を辞め、1年間実施した英日翻訳ウィキペディアン養成セミナーは来年から務校の武蔵大学に移すことになったのですが、この辞職とクラス移動の経緯について皆さん興味があるらしいので、学生に迷惑がかかるなどの差し支えが無い範囲で簡単に説明しようと思います。めちゃめちゃ長いので、イントロのあと3つの節に分かれています。 ・イントロ まず、私は2013年に留学を終えて日に帰ってきてからずっと東大駒場で英語の非常勤をしており、最初の二年は英語一列、今年は実験的な科目としてウィキペディアン養成セミナーをやっていました。学部から博士の一年まで東大駒場に所属していたので、英語一列には院生の時からTAとして関わっていました。去年からは武蔵大学に専任講師として就職したので非常勤先は辞めても良かったのですが、図書館とデータベースが使えること(これは研究者にとっては大変大事で、給料なんかより

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  • 悪くはないが、構成に不満〜『シャトーブリアンからの手紙』 - Commentarius Saevus

    イメージフォーラムで『シャトーブリアンからの手紙』を見てきた。フォルカー・シュレンドルフの新作で、第二次世界大戦中にフランスで起こったドイツ将校の暗殺事件の報復として、共産主義者など150人のフランス人が殺害された史実を扱ったものである。「シャトーブリアン」というのは人名ではなく、この映画の主要な舞台となっており、この事件の犠牲者が多数収容されていたショワゼル収容所がある場所の地名である。 基的に、関係者が登場するエピソードをいくつか別々に走らせて、最後にそれが一つに収束するという形式をとっている。事件を多角的に描くことを目指しており、犠牲者の中で一番若く、まだ十代の少年であったギィ・モケなどを中心とするショワゼル収容所のエピソードだけではなく、将校暗殺犯である三人の若者、ドイツ政府からの命令に右往左往する役人たち、最後に収容者処刑をやらされることになるドイツの若い兵士なども同じくらいの

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  • たいへん日本ふうなSFとしての『図書館戦争』 - Commentarius Saevus

    図書館戦争』を見てきた。あまり期待していなかったのだが意外と面白かった。留学する前にわりと夢中になって原作を読んでいたのだが、映画で見て思ったのは、この作品は実に和製SFだということである。 まず、基設定として図書館関係法規とメディア良化法が相互に矛盾をきたしているのになぜか双方の馴れ合い?でその矛盾が解決されておらず、良化委員会と図書館が双方ミリシアというか法人の軍隊というかなんというかを持っているということになっているのだが、司法の権限が強い国でこの設定にリアリティを持たせるのは無理だろうと思う。英米なんかだと法と法が矛盾してるとなれば裁判が多発しまくって少なくとも法同士の整合性が保たれる形に修正されるだろうし、たぶんそのせいで英米のディストピアSFってかなり一貫性のある法体系が一般市民を抑圧している、という設定が普通だと思う。しかしながら日だと司法の権限があまり強くないし、法の

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  • 「口だけ左翼」を意味する英単語まとめ - Commentarius Saevus

    突然だが、この間「プロ市民」とかいう言葉に出会ったので、突然思い立って「口だけ左翼」的な意味で使われる英単語を自分用に整理しようと思う。 Parlor pinks (「客間左翼」) …たぶん「口だけ左翼」あるいは「論壇左翼」?議論だけで実際に行動しない左翼の蔑称らしい。pinkは赤っぽい=共産主義的、という意味で使われるらしい。Pinkoだとたぶん日でいう「アカ」か。アメリカの表現かな? →方向性は逆だが、Chickenhawkと発想は同じだと思う。チキンホーク(タカ派チキン)は実際に戦争に行ったりしないのに好戦的な政策をとりたがる人のことを指す単語でたぶんアメリカ英語。 Champagne socialist(「シャンパン社会主義者」)…イギリスでよく使われる単語だと思うのだが、シャンパン=アッパーミドルクラスの飲む酒を飲んでいる社会主義者、ということで、ブルジョワ的に暮らしているが社

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  • ブレンダ・フォーリー『成功まっしぐ裸――モラルの商人としての美人コンテスト参加者とストリップダンサー』(Undressed For Success: Beauty Contestants And Exotic Dancers As Merchants Of Morality) - Commentarius Saevus

    最近ミスコン論議が相変わらず喧しい上、舞台芸術における女性パフォーマーの歴史についていろいろを読む必要があったので(とはいえうちの偏った関心でルネサンスの舞台女優とバーレスクダンサーしかまだおさえていないのだが)、日はその中からミスコン関係のをご紹介。一ヶ月ほど前に読んだブレンダ・フォーリー(Brenda Foley), 『成功まっしぐ裸――モラルの商人としての美人コンテスト参加者とストリップダンサー』Undressed For Success: Beauty Contestants And Exotic Dancers As Merchants Of Morality (Palgrave Macmillan, 2005)を簡単にレビューしてみようと思う。 なんかめちゃめちゃチャラい邦題(拙訳)にしてしまったのだが、これはタイトルが"Dressed for Success"「成功にふ

  • ロンドンから図書館に関する大阪府政に怒りを露わにす - Commentarius Saevus

    ここのところロンドンについてばかり書いていたのだが、日のニュースで久しぶりに激怒したくなるものがあった。 図書館相談 まるでクイズ…「大阪府民やり過ぎ」知事苦言 某大阪府知事が大阪府立図書館のレファレンス事例に文句をつけているという話なのだが、この文句がどう見てもバカすぎる…こいつ図書館とか全然使ったことないもないし、たぶん興味もないであろうことがバレバレである(いろいろいろなものを閉鎖したがっている人にふさわしい文句である)。 問題は、大阪府知事もこの新聞記事も、「事実の調査」は図書館仕事ではないと誤認しているらしいことである。記事には「要望に応じて関連蔵書を紹介することは、図書館法に基づく業務の一環だが(中略)直接答えを求める相談も多かったという」とか書いてあって、まるで事実の調査は図書館来の業務じゃないみたいな言い方をしているが、これは大きな間違いである。 レファレンス事項に

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