絶滅したワニ「パカスクス」の想像図。歯の化石の分析により、植物食だったことが明らかになった。(ILLUSTRATION BY JORGE GONZALEZ) 絵本でも漫画でも、ワニの口にはいかにも肉食らしいギザギザの歯が並んでいることが多いが、実際はもう少し違うタイプの歯があると、米ユタ大学の古生物学者キーガン・メルストローム氏は言う。 「それでも、絶滅したクロコダイル型類(Crocodyliform)の歯の多様性にはとうてい及びません」と彼は言う。クロコダイル型類は、現代のワニ(アリゲーターやガビアルを含む)や絶滅種を含むワニ類の大きなグループ。「そのなかには非常に変わった歯を持つものもいました」 このほど、絶滅したワニの仲間16種の歯の化石146本を分析したところ、驚くべき事実が明らかになった。太古のワニは、その進化の歴史の中で少なくとも3回、植物食(草食)になっていたのだ。 6月27