「あれ、この感じはどこかで見たような…」そんなデジャ・ブ(既視感)を持った。私は2013年9月29日、富岡町の藤田大さんたちの案内で、いわきを出発して区域再編の終わった富岡町に向かった。総勢15名ほどが参加していた。 「ここは本来は、田んぼだったのですけどね」と示された場所には、草が生えていた。言われなければ何とも思わない風景だったかもしれない。 私は2年前、やはりふくしま会議が主催したツアーで、飯舘村・南相馬市・相馬市を訪問した。その時に、飯舘村の方が、「(あれだけ手入れをしてきちんとした村を作っていたのに)それがこんなに草ぼうぼうになってしまって」と嘆いたのを聞いて、違和感を持った。都会暮らしになじんだ私には、その「草ぼうぼう」の山ですら、心のなごむ風景に思えたからだ。 身の回りの草木に手入れをして、きちんとしておくこと。それができないことのつらさを、都会に育った私はおそらく十分には理