2021年11月29日15:23 カテゴリ経済 1970年代のスタグフレーションが戻ってくる 日経新聞で紹介されているロゴフのコラムがおもしろい。世界が1970年代のスタグフレーションに似てきたという話である。 1970年代のインフレの原因は一般には「石油ショック」だと思われているが、それはきっかけに過ぎない。ロゴフも指摘するように本質的な問題は財政赤字だった。アメリカ政府はベトナム戦争で大きな赤字を抱え、インフレ圧力が高まっていた。 そこにOPECの原油値上げで供給ショックが起こり、さらに財政支出を増やしたため、大インフレになった。これを抑制する役目のFRBには独立性がなかったので、不況の最中に金利を上げられなかった。このため世界にドルがあふれ、不況とインフレが同時に起こるスタグフレーションになった。 今の資源インフレは、OPECではなく先進国の脱炭素化が起こしたものだ。日経の藤井論説委