コラム別に読む : 壇蜜さん（タレント）と読む『押入れのちよ』 | BOOK.asahi.com：朝日新聞社の書評サイト

８０年生まれ。２０１０年に自ら応募してグラビアデビュー。近著に『はじしらず』（朝日新聞出版）。＝松永卓也撮影 ■「まっとうに」の苦を癒やす 『押入れのちよ』 [著]荻原浩（新潮文庫・６２０円） この本を手にした当時、私は２７歳。ご遺体の修復や保全を行う「エンバーミング」という技術を、葬儀学校で学んでいる最中でした。当時の恋人も、両親も、エンバーマーとして社会に出ることが「まっとうな道」だと考えていたと思います。そして私自身も。 ２３歳の時に、私と母の恩師が突然亡くなりました。以来、私は喪失感に囚（とら）われておりましたから「死」を身近に感じられる仕事に就き自立をすることで、喪失感から脱却し、「まっとう」にもなれると勝手な期待をしていたのです。 学校に通う前の、厳しくも楽しい銀座でのホステスのアルバイトは「またやりたい」と思いつつ、言い出せなかった。男性相手の仕事をすることに恋人は反対するだ

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さすが壇密

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「居るべき場所と、そこにお供えする体さえあればやっていけるかな，と」