小林英夫『日中戦争――殲滅戦から消耗戦へ』 - heuristic ways

これはちょっと目からウロコが落ちるような本だった。自衛隊の人や政治家はこういう本をこそ読むべきではないかと思ったりした。日中戦争において「なぜいかにして日本は中国に負けたのか」という問題を、両国の戦略構想の面から把握・分析しようとした本書は、たんに過去の失敗を直視し、その敗因を突き止めるというだけでなく、ハードパワー（軍事力・産業力）重視とソフトパワー（政治・外交力、文化的魅力、国際世論の支持）軽視という、今日に至るまで続いている指導的な政策・戦略構想の限界を指摘しているからである。 以前私は、「指摘する人はたぶん少なくないだろうが、実感として、私たちは「アメリカに負けた」とは思っていても、「中国に負けた」とは思っていない」と書いたことがある（2005-08-16 「「戦争」の記憶・認識」）。私はなんとなく日本軍が中国の広大な土地での「泥沼戦」（民衆の抵抗を含む）に引きずり込まれて、次第

[noharra]

それが長期的な「消耗戦略」として蒋介石らが自覚的に採用した「方法」であり、その戦略の違い、将棋用語でいえば「大局観」の違いによってはっきり「日本が中国に負けた」という点：これは重要！

[t-hirosaka]

勝先生！