銀の滴降る降る

梟の神の自ら歌つた謡 「銀の滴降る降るまはりに」 「銀の滴降る降るまはりに、金の滴 降る降るまはりに。」と云ふ歌を私は歌ひながら 流れに沿つて下り、人間の村の上を 通りながら下を眺めると 昔の貧乏人が今お金持になつてゐて、昔のお金持が 今の貧乏人になつてゐる様です。 海邊に人間の子供たちがおもちやの小弓に おもちやの小矢をもつてあそんで居ります。 「銀の滴降る降るまはりに 金の滴降る降るまはりに。」といふ歌を 歌ひながら子供等の上を 通りますと、（子供等は）私の下を走りながら 云ふことには、 「美い鳥！神様の鳥！ さあ、矢を射てあの鳥 神様の鳥を射當てたものは、一ばんさきに取つた者は ほんとうの勇者ほんとうの強者だぞ。」 （以下略） Kamuichikap kamui yaieyukara, "Shirokanipe ranran pishkan."