ＪＲ福知山線脱線：山崎前社長、１１日判決 大規模事故遺族、どう見る - 毎日ｊｐ(毎日新聞)

過去の大規模事故で肉親を失った人たちは、福知山線脱線事故の裁判をどのような思いで見つめてきたのか。 ◇安全重視に転換を－－日航ジャンボ機墜落事故（８５年）で夫を亡くし、現在はＪＲ脱線事故遺族の心理カウンセラーを務める吉備素子さん（６９）＝大阪府 約２０年前、私たち日航機事故の遺族は、当時の経営陣を訴えるべく署名活動をした。しかし、誰も罪に問うことはできず、いまだに事故原因は究明されないまま、うやむや。時代は変わり、ＪＲ西の脱線事故は刑事裁判に持ち込むことができた。被告が事故前にＡＴＳ設置の必要性を認識していたかが争点になっているが、私は歴代社長の裁判を通して事故原因が明らかになることを望んでいる。 カウンセリングをしていると、「なぜ大切な人が死んだのか」と考え、ストレスで心臓を悪くしたり、高血圧になるなど、体に変調をきたした遺族がとても多いことに気付く。亡くなった人が帰ってくることはない。