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ピザが下層民の食べ物になったことに感慨を禁じえない
初めて映画館に見に連れて行ってもらった洋画が「E.T.」なのだが、その前半で、子供たちが電話でデリバ... 初めて映画館に見に連れて行ってもらった洋画が「E.T.」なのだが、その前半で、子供たちが電話でデリバリーのピザを頼むシーンがある。 幼心に「アメリカすげえ」と思ったものだ。 電話で頼むのって、ラーメンとかそばとか、あと、「大切なお客様」が来たときの寿司とかうな重だけだと思ってた。 しかも、子供が勝手に頼んではいけないものだった。 家で食べるピザといえば、雪印の冷凍の、あの、ピーマンやら輪切りのソーセージののった、今思えばチーズの伸びも貧弱な「ミックスピザ」しかなかった。 それだって、贅沢が嫌いなうちのかーちゃんは、めったなことでは買って来なかった。 「マルガリータ」なんていう異国の美少女を思わせる名前が、まさかビザの種類だなんて、知る由もなかった。 時はたち、ピザは「1枚買えば1枚無料」の誘い文句に集まる蛾のような下層民が、怒鳴りあいながら列を作って購う安直な食べ物になった。 もっと豊かな