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エピジェネティクス - 脳科学辞典
村田 唯、文東 美紀、岩本 和也 東京大学 大学院医学系研究科分子精神医学講座 分子精神医学講座 DOI... 村田 唯、文東 美紀、岩本 和也 東京大学 大学院医学系研究科分子精神医学講座 分子精神医学講座 DOI:10.14931/bsd.3735 原稿受付日:2013年4月24日 原稿完成日:2013年6月4日 担当編集委員:加藤忠史(独立行政法人理化学研究所) エピジェネティクスとは、DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御・伝達するシステムおよびその学術分野のことである。すなわち、細胞分裂を通して娘細胞に受け継がれるという遺伝的な特徴を持ちながらも、DNA塩基配列の変化(突然変異)とは独立した機構である。このような制御は、化学的に安定した修飾である一方、食事、大気汚染、喫煙、酸化ストレスへの暴露などの環境要因によって動的に変化する。言い換えると、エピジェネティクスは、遺伝子と環境要因の架け橋となる機構であると言える[1][2]。主なメカニズムとして、DNAメチル化とヒストン修飾がある。