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書評『漢字が日本語をほろぼす』(田中克彦、角川SSC新書、2011)ー 異端の社会言語学者・田中克彦の「最初で最後の日本語論」
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書評『漢字が日本語をほろぼす』(田中克彦、角川SSC新書、2011)ー 異端の社会言語学者・田中克彦の「最初で最後の日本語論」
■異端の社会言語学者でモンゴル学者・田中克彦の「最初で最後の日本語論」■ ラディカルな本である。コト... ■異端の社会言語学者でモンゴル学者・田中克彦の「最初で最後の日本語論」■ ラディカルな本である。コトバの本来の意味で、日本語のありかたについて根源的な問いかけを行っている本である。 せっかく受け入れたフィリピンやインドネシアからきた外国人看護士を実質的に閉め出しているのは、医療関係者以外は日本人でもまったく読めも書けもしないような難しい漢字の専門語をクリアしなくてはならないからだ。 ワープロの使用によって、不必要なまでに変換されてしまう漢字にみちみちた文章。これは日本語への世界的な普及には、むしろ大いに逆行する現象だ。 現在の日本語の状況は、ビジネス界の流行語をつかえば「ガラパゴス化」とでも言うしかない。 本書でとくに重要なのは、「漢字に苦しめられてきた中国」にかんする第3章だろう。中国語をローマ字で表記するピンイン、そして簡体字。その先には、漢字の産みの親である中国ですら、漢字の廃止とい