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『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』に三つのジレンマを考える - HONZ
羊水穿刺で胎児の染色体検査をうけた。告げられた結果は陰性。しかし、生まれた赤ちゃんはダウン症だっ... 羊水穿刺で胎児の染色体検査をうけた。告げられた結果は陰性。しかし、生まれた赤ちゃんはダウン症だった。産科の医師が検査結果を見落としていたのだ。天聖(てんせい)と名付けられたその子にはさまざまな合併症があり、三ヶ月で亡くなった。そして、訴訟がおこなわれた。こう書けばシンプルだが、ここには三つの大きなジレンマがある。 そのうちのひとつは、天聖君への慰謝料請求の妥当性だ。知らなかったが、この事例のように医療従事者が過失をおこさなかったら苦痛に満ちた自分の出生が回避できたはず、という裁判はロングフルライフ(Wrongful life=「不当な生命」と訳せばいいのだろうか…)訴訟というらしい。「生まれなければ苦痛がなかった」ことに対する慰謝料。しかし、はたして生まれなかったほうが本当に損害は少なかったといえるのだろうか。いったいどの立場からどう考えればいいのだろう。それすらよくわからないほど難しい問
2018/08/19 リンク