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本日の備忘録/More Than Human - 日々の与太
南海本線堺駅あたり 帰阪後ようやく今になって開封する段ボール箱に懐かしい文庫を見つけて、ひさしぶり... 南海本線堺駅あたり 帰阪後ようやく今になって開封する段ボール箱に懐かしい文庫を見つけて、ひさしぶりにパラパラ。目が留まるのは、やはり以前と変わらないところ。 右側のアパートの四階には、何人の人間が住んでいるのかはわからない。大きな部屋に寝台車のように二段ベッドがいくつも並び、カーテンでかろうじてプライバシーが確保されている。猫を飼っている男がいる。顔は見たことがない。男は窓の外を決して見ようとはしない。私がいつも目にするのは、彼の骨と筋になった痩せた背中だけだ。猫は時々窓のわずかなへりに出て、鴨寮街(あぷりうがい)を行き交う人たちを、水槽の中の金魚を見下ろすようにじっと見ている。しかし猫が外に出るのは五分以内と決まっている。その高度が猫にはあまり心地が良くないらしい。その五分間に飛行機が上を通ると、猫は必ず空を見上げる。私も見上げる。拾われてからというもの、恐らくこの部屋から一度も出たこと
2022/06/26 リンク