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心持ちひとつで、曇り空さくらに変わり。|伊佐 知美
今となっては、「東京は晴れていたのかどうか」それすら思い出せなかった。「傘は持って出なかったから... 今となっては、「東京は晴れていたのかどうか」それすら思い出せなかった。「傘は持って出なかったから、雨は降っていなかったはず」。 けれど空が晴れ渡っていたのかどうかとか、それとも真っ白でグレーな曇り空だったのかとか、隣に座っていた人が笑っていたのかどうか、とか。 なんだかそういった、些細な出来事。けれど普通に毎日を営んでいれば目にするような、通常であれば多少なり記憶に残していると思われるような。そういった自分の身の回りの諸々のことを、まったくよく思い出せない気持ちだった。 覚えているのは、急ぎ足で都心の県境を越えたこと。青白く光る画面を見つめる向こうに、スカイツリーのような、江戸川のような、何かしらの水の流れの面影を視界に入れたこと。寒かったのか、ちょっと厚着だなと思ったのかとか、そんなこともあんまり覚えていなかった。 ただ、季節だけは、冬と春の境目に立っていると知っていた。春を、もっと言え