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自家製リコッタの科学(リッチバージョン)|樋口直哉(TravelingFoodLab.)
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自家製リコッタの科学(リッチバージョン)|樋口直哉(TravelingFoodLab.)
リコッタチーズはイタリアのフレッシュチーズの一種。チーズという名前ですが、作り方が違います。リコ... リコッタチーズはイタリアのフレッシュチーズの一種。チーズという名前ですが、作り方が違います。リコッタとは再び加熱された(パンナコッタの〈コッタ〉です)という意味で、ホエー(乳清)を煮詰めてつくります。レンネットではなく、熱と酸によって乳タンパク質を結合させるわけですね。 自家製する場合は乳清ではなく、牛乳を使います。この段階で本物とは違うのですが、味的には近い物ができます。家庭でリコッタチーズを自家製する場合の変数は二つ、〈酸〉と〈脂肪分〉です。 レモン汁か酢か、問題まず酸について。ミルクは最初からわずかに酸性ですが、そこにさらに酸を加えてpHを5.5にするとタンパク質の電荷が中和されるので、タンパク質同士の反発がなくなり、集まります。これはヨーグルトの状態です。 pHを4.7付近よりさらに酸性にすると個々のタンパク質同士が寄り集まって、固まりになります。これがチーズの元になるカードの状態