【それでも撲滅できないのか】（５）虐待した親を治療する 命を失った子供に謝罪するくらいなら… (1/3ページ) - MSN産経ニュース

虐待に苦しむ親子の治療を行う専門外来。親子の行動を記録するビデオカメラ（手前）やマイクが備えられていた＝神奈川県厚木市の「あつぎ心療クリニック」 ビルの一室にある治療室で、３０代前半の母親が３歳の長男とともに、精神科医の青木豊医師（５２）と向き合っていた。神奈川県厚木市にある精神科・心療内科医院。虐待された０歳から３歳までの乳幼児とその親を治療する全国でも極めて珍しい「乳幼児精神科」の専門外来である。 長男は１歳半ごろからごみ箱をひっくり返し、スーパーで商品をつかんだ。母親は「勝手気ままに動き、いらいらして怒鳴ったり布団の上に倒したりした」。暴言や平手でたたく虐待を止められず自ら受診した。 青木医師は母子に週１回、５０分間の精神療法を試みた。半年目、長男は治療室へ入るとき自分でくつを脱いできちんとそろえ、「ほら」と母親を見た。母親は厳しい表情のまま無視し、代わりにこう話した。 「こんなふう