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菊池 寛 石本検校
将棋指しの天野富次郎と石本 いしもと検校 けんげうとが、一緒に深川の松井町の茶屋金万 きんまんを出た... 将棋指しの天野富次郎と石本 いしもと検校 けんげうとが、一緒に深川の松井町の茶屋金万 きんまんを出たのは、子 ねの刻 こくを廻つてからだつた。 二人の手合 てあはせを、初めから見てゐた旗本の市川備中守は迎ひの駕籠で、先へ帰つた。同席してゐた木場 きばの相模屋の隠居は、金万を出ると直ぐ、右と左に別れた。 同じ、芝に住んでゐた天野と検校とは、嫌でも一緒に帰らねばならなかつた。一緒に帰ることは、勝つた宗歩にはさう不快ではなかつた。が、四番指して、一度しか勝てなかつた検校には宗歩と一緒に帰ることは、負け腹のどうにも収まらない気持を、家まで背負つて行くことだつた。 天野は、その前年の春からずつと諸国を遊歴し、この夏に江戸へ帰つたばかりだつた。 備中では香川栄松を破り、大坂で深野宇兵衛に勝ち、四国では、無段名人と呼ばれてゐた天下無敵の四宮金吾に香 きやうを引いて、その鳥指しを、一蹴し去つた彼の強さは、