『 ゾンビランド 』｜小梶勝男

© 2009 COLONBIA POCTURES INDUSTRIES, INC ALL RIGHITS RESERVED. ◆笑いもスプラッターもきっちり楽しめるホラー・コメディー（72点） ゾンビは元々、ブードゥー教の呪術師によって魂を抜かれ、奴隷化された人々だった。このブードゥー・ゾンビは、早くからベラ・ルゴシ主演の「恐怖城」（「ホワイト・ゾンビ」）（1932）などでスクリーンに登場している。ゾンビ自体は自分の欲望を持たず、「支配者」の言いなりになって働くという点で、我々が悪い意味での「共産主義」をイメージするときの、「人民」に近いといえるだろう。 これを「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」（1968）で、180度転換したのが、モダン・ゾンビの祖、ジョージ・A・ロメロだ。当時はベトナム戦争下。「人肉を食べたい」という、自らの欲望のままに動くゾンビは、共産主義的なブードゥー・ゾンビに対

[ueshin]

「「人が人を食べる」というのも、資本主義の競争社会を象徴しているように思える」