河北新報ニュース 焦点－大震災から２年半／災害公営住宅、友人や親類の近くに／グループ入居、導入拡大

新居に一礼する母を笑顔で見守る岩間さん（奥）。離れ離れだった親子が同じ災害公営住宅で暮らせるようになった＝８月３０日、岩手県大槌町 東日本大震災の被災者向け災害公営住宅の入居をめぐり、友人や親類などを一つのグループと捉え、同じ場所に住める仕組みを導入する自治体が相次いでいる。震災前に住んでいた集落や仮設住宅などで築いた身近な関係を維持することにより、孤立防止などの効果が期待される。一方で募集選考の公平性も問われている。（坂井直人） ◎身近な関係維持、孤立防ぐ ＜「やっと安心」＞ 岩手県大槌町で８月３０日、町内初の災害公営住宅の鍵が引き渡された。岩間とし子さん（５６）は母浅沼ユキ子さん（８２）と長屋式の隣の棟で新生活を始める。 新居に向かってお辞儀し、うれしそうに部屋を確認する母を見詰める岩間さん。「離れ離れだったけれど、やっと安心できる。ご飯も一緒に食べよう」と笑顔を見せた。 親子別