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熱処理のやさしい話16
(通常肌焼鋼と云っています)の表面にCを浸透拡散させ、高炭素としたのち、これを焼入れして表面を硬... (通常肌焼鋼と云っています)の表面にCを浸透拡散させ、高炭素としたのち、これを焼入れして表面を硬くする方法を浸炭と呼んでいます。浸炭焼入れには固体浸炭、液体浸炭、ガス浸炭の3種類がありますが、色々な理由から現状ではガス浸炭焼入れが主流です。いずれの場合も、表面が硬く内部が軟らかいため、耐摩耗性、耐疲労性に優れています。使用鋼は一般的に低炭素鋼が用いられ、次のような条件を満たしていることが必要です。 (1)浸炭温度に加熱した際、結晶粒の粗大化を起こさないこと。 (2)硬化層の硬さが高く、耐摩耗、耐疲労、高じん性を有すること。 (3)内部の被硬化部においても、結晶粒が粗大化せず、高じん性を有すること。 (4)浸炭を阻害する元素が少なく、遊離の炭化物を作る元素が含まれていないこと。 (5)加工性が良く、価額も安いことなどが挙げられます。 固体浸炭は、浸炭箱に処理品と木炭を主成分とした浸炭剤を積め