地域によって使われる通貨が違って、何が嬉しいかといえば、異なる金利が表現できるという点に尽きる。このあたり不景気なのに高金利で苦しいとか、このあたり好景気なのに低金利でバブるとか、広域に渡って単一の通貨が用いられ金利の水準が同じときには、そういう齟齬のある地域が現れざるを得ない。お金は一瞬で移動できるが、人や物はすぐには移動できないからだ。 一方で、その交換レートが常に変動することによって、通貨を跨いだ取引は面倒になってしまう。相手のつくる物の値段を考えるとき、常に通貨の交換レートを頭の中に入れておく必要があるし、しかもそれは刻一刻と変わるので、取引には様々な面倒が常について回る。もちろん細々とした要因は他にも様々にあるわけだが、最適な通貨圏の大きさは、大雑把には、こうしたトレードオフによって決まると考えてよい。 ところがテクノロジーってのは本当に凄い。いまや我々が常に携帯する電話は、簡単