cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
ー米国学術界の状況は。 「米国は基礎的な研究は国の資金にサポートされているが、工学系の研究室はほとんど民間資金で運営している。国のサポートは小さく、民間から資金を集められなければ研究を続けられない。工学系の教授の50%は自分の会社を持っていてほぼ100%が企業向けにコンサルしている。教授はベンチャー経営者のようなものだ。企業へのコンサルで接点を作り、共同研究の資金を集める。これを原資に研究体制を整える。私はベンチャー2社を経営しているが、多い方ではない」 「我々は教授4人のチームで研究センターを運営しており、教授一人約10人のドクターコースの学生を雇っている。私は年間で約1億円集めないと研究室が倒産する。このためチーム全体では年間4億円を集めている。窒化ガリウム系デバイスの研究では私たちが米国1、2位の規模になる」 ー2000年に渡米した直後から営業回りができたのでしょうか。 「始めからで
最初に一言言っておく。 私はアルミ合金が嫌いだ。 正確には「適材適所で用いられていないアルミ合金」という存在が大嫌いだ。 つまり「適材適所に用いたアルミ合金」は大好きだ。 アルミ合金の歴史は意外にも古い。 日本国では後2年でアルミ合金生産から100年目を向かえる。 純粋なアルミ製品であればもっと古い。 ところで、私が毎月読んでいる技術雑誌があるなかに興味深い記述があった。 「工業材料」とか「塗装技術」とか日刊工業新聞が発刊しているものだ。 これは昭和30年以前から発刊しているが、それの昭和62年ごろの記述だ。 「昨今のアルミ合金の特性を省みない多用には警笛を鳴らしたい」という話。 この雑誌においては当時まだ実用段階ではなかった様々な素材について取り上げられ、過去の話を見るだけでも様々な発見がある。 特に特定の材料にだけ焦点を当てて過去から現在まで見ると、どうして実現にまで至ったのかが見られ
「生殖器逆転」の昆虫発見=北大准教授らにイグ・ノーベル賞-米 【ニューヨーク時事】独創的でユーモラスな研究を表彰する「イグ・ノーベル賞」の2017年の授賞式が14日、米マサチューセッツ州のハーバード大であり、雄と雌で生殖器の形状が逆転している昆虫の存在を明らかにした北海道大の吉沢和徳(46)、慶応大の上村佳孝(40)両准教授らの国際共同研究チームが「生物学賞」を受賞した。日本人のイグ・ノーベル賞受賞は11年連続。 体内受精する生物は、ほぼ例外なく雄が雌の体に生殖器を挿入して交尾する。しかし、研究チームは、ブラジルの洞窟で見つかったチャタテムシの一種を調べ、雌が伸縮する突起状の生殖器を持ち、雄の穴状の生殖器に挿入することを突き止めた。 交尾の際、雄は精子とともに栄養物質を雌に渡していることから、研究チームは、この栄養をめぐる雌同士の競争が激しくなったと分析。多くの生物と異なり、雌の交尾に対す
科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書) 作者: 森博嗣出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/06/29メディア: 新書購入: 3人 クリック: 146回この商品を含むブログ (76件) を見る今日は本当はとある一冊のサイエンスノンフィクションについて書こうと思っていたのだが、1000字ぐらい書きながら裏とりを続けているうちに「これはちょっと厳しいな……」という感じになってきてしまった。なのでそれは取りやめ、無根拠なサイエンスノンフィクションを見分けるためのいくつかのやり方について書こうと思う。 僕自身が常にこれから書いていくようなことをやっているわけではないし、僕が無根拠なサイエンスノンフィクションを全て見分けられているというつもりもない。基本的には心構えや、頭に入れておくといいかも、ぐらいの地道な話が多くなるだろう。 1.同分野の本を何冊も読む この世には無根拠なサイエンスノン
ホワット・イズ・ディス?:むずかしいことをシンプルに言ってみた 作者: ランドール・マンロー,吉田三知世出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/11/22メディア: 大型本この商品を含むブログ (1件) を見るすべての人間が一カ所に集まってジャンプしたらどうなるの? などの現実的にはありえない質問に対して、ユーモアたっぷりのイラストと科学的に正確な解説を添え、物理や数学のおもしろさを体験させてくれた『ホワット・イフ』は快作であったが、同じ著者による最新作が、本書『ホワット・イズ・ディス?』である。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp 今回は副題に「むずかしいことをシンプルに言ってみた」と入っているように前作とは趣向を大きく変えており、著者の言葉を借りれば『これは、絵とやさしい言葉を使った本だ。ページごとに、大事なものやおもしろいものの仕組みや成り立ちを、英語で
これはなに? はじめに AGCあれこれ Temporary I HOPEHOPEHOPE ASTRONAUT NOW LOOK WHERE YOU ENDED UP ふと気になりました いい時代ですね 1201&1202エラー なにそれ? カ、カルマンフィルターだー!!! カルマンフィルターの開発経緯 その他面白コメントアウト集 TRASHY LITTLE SUBROUTINES(つまんないサブルーチン) NUMERO MYSTERIOSO(神秘の数字) OFF TO SEE THE WIZARD COME AGAIN SOON HONI SOIT QUI MAL Y PENSE(悪意を抱く者に災いあれ)、NOLI ME TANGERE(私に触れるな) PINBALL_GAME_BUTTONS_AND_LIGHTS.agc おわりに 反省 参考文献 これはなに? この記事はeeic Adv
Home > ニュース > 大隅良典名誉教授のノーベル賞受賞決定を受けて、元基礎生物学研究所長・元岡崎国立共同研究機構長 毛利秀雄名誉教授の寄稿を掲載いたします 隣のおじさん-大隅良典君(ノーベル生理学・医学賞の受賞を祝して) 私が東京大学教養学部の助教授になりたての頃、同じフロアーで生化学の権威であった今堀和友先生の研究室に入ったばかりの卒研生が、バランスのとり方が悪くて生物学教室の冷却遠心機のローターを飛ばしました。それが大器晩成の人、ノーベル賞受賞者・大隅良典君との最初の出会いです。彼は教養学部の理科系のシニア学科として、数学から地学まで幅広いバックグラウンドをもった人物を育てることを目的とした基礎科学科の第二期生で、同学科の神代時代の秀才の一人です。奥さんの萬里子さんも同じ研究室だったので、当時見かけたことがありました。 大学院時代、ポスドク時代は離れていたのでよく知りません。ロッ
フレッド・ピアス「外来種は本当に悪者か?: 新しい野生 THE NEW WILD」草思社. 全体として本書は専門的な用語の定義や使い方に誤りが多く、そもそも「社会問題としての外来種問題」に関する基本的な部分に誤解があります。したがって導き出される考察や結論も誤りが多いです。唯一良いのはなるべく出典を示していることで、気になった事例を後で調べることができます。著者は丁寧に原典にあたって持論を展開しており、その点は「日本のトンデモ学者や適当ライター」の本よりはるかに真面目です。 ただ、この本のテーマはタイトルから見えてくるように「外来種は悪か?善か?」であり、「外来種は悪ではない、善だ!」と言う持論を普及したくて執筆したのでしょうが、そもそも農業用作物の多くは外来種(イネもジャガイモももう色々)ですし、世間的に問題にしている外来種というのは「侵略的なごく一部の外来種」だけであって、21世紀の現
大阪府泉佐野市の「犬鳴山納涼カーニバル」では、夏の風物詩として川に金魚を放流して参加者にすくい取らせるというイベントが行われているそうです。 2016年7月、このイベントを問題視する声がtwitterを中心に挙がり、実際に主催者に指摘や問い合わせ等を行った方が現れ、結果的に今年の金魚放流が中止になる……ということがありました。 僕の感想は「川に金魚を放流する? 外来生物問題が取りざたされる現代で、そんなとんでもないイベントがまだ行われていたんだな」というものでしたが、どうも「金魚を放流して何が悪い」「伝統ある行事を中止させるなんて」という反応の方も多くいらっしゃった様子です。 本エントリでは、この案件を題材として、以下の大きく2点について考えてみたいと思います。 「なぜ金魚を放流してはいけないのか?」という外来生物問題 webでの炎上がイベント中止に繋がる、クレームにかかわる問題 事態の経
作者:ジャンナ ・レヴィン 翻訳:田沢 恭子、松井 信彦 出版社:早川書房 発売日:2016-06-16 本書は発売(6/16)とほぼ同日に重力波2度目の観測成功が発表され、即日で重版が決まったというあまりにも出来過ぎな1冊だ。とはいえ単なる偶然と片付けるのも味気ない。これは、人類がこれまで観測できなかった「音」が宇宙に満ちている1つの「確証」であるのかもしれない。 もう少し具体的に紹介すると本書『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』は重力波発見に至る経緯、検出のための観測所を組みあげるため奮闘した科学者たちの人生を通して、重力波が満ちている宇宙を解き明かしていく一冊である。重力波について現時点での絶好の入門書であるし、最初は実在すら危ぶまれる中、重力波の存在にキャリアを賭けた科学者らのどこか不器用な政治的駆け引きと確執を含んだドラマとしても素晴らしい。 本書は、重
人類進化の謎を解き明かす 作者: ロビン・ダンバー,鍛原多惠子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2016/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る考古学者は石器と化石の組み合わせや、発掘地の地質学によって「歴史」を浮き彫りにさせてきた。本書『人類進化の謎を解き明かす』の特徴は、そうした石と骨「だけ」に頼るやり方を捨てているところにある。もちろんまったく援用しないわけではなく、「考古学的記録を新たな目線で見つめること」に重点を置いているのだ。 著者のロビン・ダンバーは人間にとって平均約150人が安定して関係を持てる数であるというダンバー数の定式化を行った人物だが、その来歴を活かすように、本書では人類進化の社会的側面と認知基盤に光を当て人類の進化史を洗いなおしている。僕も専門家ではないからこのアプローチがどれだけ有効なのか疑問に思うが、いくつかの専門的な書評を読む限りで
この世界を知るための 人類と科学の400万年史 作者: レナードムロディナウ,Leonard Mlodinow,水谷淳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/05/17メディア: 単行本この商品を含むブログを見るつい先日『科学の発見』という、過去の科学者にたいして「科学的手法が用いられているか、いないとしたらなぜなのか」を問いかけることで現代の科学的手法がどのように形成されてきたのかを追った一冊を紹介した。それなのに本書『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』もまた科学史本である。 その上、若干ネタがかぶっている! とはいえ別種の魅力があるので本書も紹介しておこう。本書は邦題が『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』で、原題が『THE UPRIGHT THINKERS The Human Jurney from Living in Trees to Unde
科学の発見 作者: スティーヴンワインバーグ,大栗博司,Steven Weinberg,赤根洋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/05/14メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこれはまたけっこうヘンテコな──というか、あまりないタイプの科学史ノンフィクションである。たとえば──紀元前、デモクリトスやらタレスやらゼノンやらの時代の人々がいっていた「世界を説明する記述」にたいして「もちろんゼノンの論法は間違っている。」とマジレスしながら科学史を辿り直していく一冊なのだ。 間違っていることなんか現代では誰もが知っているのだから(そしてその一部に真実をかすめている部分があればすげーともなるわけだが)それをわざわざ指摘してどうするんだとこっちがマジレスしたくなるが、これが読んでみるとたしかになんでわざわざそんな野暮なことをやらなければならないのかの意味はよくわかる。 どういうこ
生き残っていく理論が物理となる――宇宙と相対性理論の最前線 『ブラックホール・膨張宇宙・重力波』著者、真貝寿明氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#ブラックホール#重力波#相対性理論 アインシュタインが一般相対性理論を発表して今年で100年になる。時間と空間の捉え方を覆したこの理論は、宇宙の膨張やブラックホール、重力波の存在を予言し、今日も数多くの宿題を残している。『ブラックホール・膨張宇宙・重力波 一般相対性理論の100年と展開』(光文社新書)の著者である理論物理学者の真貝寿明氏にお話を伺った。(聞き手・構成/大谷佳名) ――先生のご専門である理論物理学は、どのような学問なのですか? 数学を用いて自然現象を表してゆくのが物理学ですが、その中でも特に、実験や観測に先行して理論を構築し、自然現象を予想したり説明しようとするのが理論物理学です。そしてそれらの多くの理論が後に観測や実験で淘汰
1月27 フェアリーリングが世界を救う? 子供向けのアニメか何かみたいなタイトルですが、ちゃんとした化学のお話です。「フェアリーリング」というのは、下の写真のようにキノコが輪の形になって生えてくる現象を指します。西洋では、妖精が輪になって踊った跡だという伝承があり、この名で呼ばれているのでそうです。 オーストラリアで観察されたフェアリーリング(ウィキペディアより) フェアリーリングを作るキノコは一種類ではなく、今まで50種ほどがこうしたリングを作ることがわかっているそうです。直径は大きなもので600mにもなり、700年も成長している例が知られているといいます。科学的な文献に初めて登場したのは1675年で、古くから知られている現象ですが、詳しい成長のメカニズムなどは完全にわかっていないようです。 このフェアリーリング、まず草が異常に成長し、それが枯れてからキノコが生えてくるケースもあります。
おちゃらけ (承前) まずは少しおちゃらけから。 前回の反知性主義話を書いた直後に、斉藤環が次のようなツイートをした。 あ〜また誤解する人が出てきたので注釈しときますとですね、僕が「反知性主義」と呼んでいるのは「バカ」の上品な言い換えとかじゃなくて、「地アタマだけは良い連中の実学志向&人文知軽視」のことですんで誤解なきよう。— 斎藤環 3.15発売「まんが やってみたくなるオープンダイアローグ 」 (医学書院) (@pentaxxx) August 21, 2015 さて、8月21日にこのツイートが出てきて、しかもその中で「僕が「反知性主義」と呼んでいるのは「バカ」の上品な言い換えとかじゃなく」と述べているのは、おそらくぼくの前回 (8月20日)の記述を意識したものだと思う。そうであるにせよないにせよ、ぼくはこういう参照先を明記しないでほのめかしで済ませるやり方は、とても低級な知的堕落だと
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