ウクライナの戦争が始まってもうすぐ1年になる。始まった当初はまさかこれほど長く戦争が続くとは誰も思っていなかっただろう。侵攻を命じたプーチン大統領自身は短期間に首都は陥落し、ゼレンスキー大統領は亡命し、親露傀儡政権ができると信じていたと思う。アメリカも侵攻直後にゼレンスキーに亡命を提案したくらいだから、ウクライナがこれほど頑強な抵抗をするとは思っていなかったはずである。しかし、戦争は今も終わる気配はない。 ロシアはたぶん決して譲歩しないだろうとアメリカの外交専門家たちは推測している。 ロシア軍は軍事的に劣勢であり、国内経済の先行きは暗く、国際社会からの支持も得られていない。とりあえず停戦をして、国内問題の解決にリソースを優先的に分配する方が、意地になって戦争を継続するより合理的であることは誰でもわかる。ロシアのリアリストたちもそれくらいのことはもう分かっている。でも、誰もそれを口に出せない