ブックマーク / fish-b.hatenablog.com (31)

  • 観察する 12 <筋肉> - ふぃっしゅ in the water

    競泳選手の筋肉にほれぼれするのですが、筋肉美や肉体美とか「身体鍛錬の象徴」として賞賛しているというよりも、筋肉そのものに魅せられているという感じです。 たとえば、生まれた直後の新生児の臍帯を切断しようとしている時に、コッヘルという鉗子(かんし)を握りしめて離してくれない新生児の手の動きを見ると、その筋肉の強さに驚かされます。 また、こちらの記事に書いたように、新生児の授乳の様子を見ていると、一旦、舌で乳首を巻き込むと20分でも30分でも離さない強さに驚きます。 「吸い方が下手」なんて安易に新生児を馬鹿にしちゃあいけないよと思う程、その舌や口全体の筋肉の巧妙な動きと強さを、なんと表現したらよいのでしょうか。 私自身にも、こんなに強靭で柔軟な筋肉が備えられ、発達しながら成長して来たのかと、なんとも不思議な気分になります。 ああ、自分の体のことさえ、何もわかっていないのだと。 そして筋肉の曲がり

    観察する 12 <筋肉> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2016/10/30
    初めてのお産の後、全身筋肉痛でクタクタの中食べた夕食は、食器から口へ箸で運んだ食べ物が、口まであとちょっとのところでポロリと落ちるというのの繰り返しで、普段の動作が如何に精妙な連携なのかと感心したよ
  • 産後ケアとは何か 27 <激しく泣く赤ちゃんを育てるお母さんへのケア> - ふぃっしゅ in the water

    出産して2か月になる豆腐メンタルさんから、9月21日と10月17日にコメントをいただきました。 豆腐メンタルさん、ありがとうございます。 そしてご人の了承なしに文で紹介することをお許しくださいますように。 豆腐メンタルさんのご相談は次のような赤ちゃんの状態についてでした。 赤ちゃんに乳首をくわえさせようとする度に、震えるように泣き叫び、あまりにも可哀想なので5分も持たずにミルクにしてしまいます。 あまりの泣き叫び声に、私が泣き、減らしたミルクを飲み終わって哺乳瓶を離す度に、切ないほどの呻き声と涙を流します。 最初に読んだ時点で、今まで関わった数人のお母さんと、その赤ちゃんの「震えるような泣き叫び声」が蘇ってきました。 私の答えは決まっていました。 「もう十分頑張ったから、ミルクにしましょう」 でも初対面の方にすぐに「ミルクにしましょう」というのは、アドバイスとしてはその後のお母さんの気

    産後ケアとは何か 27 <激しく泣く赤ちゃんを育てるお母さんへのケア> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2014/10/09
    "激しく泣く赤ちゃんが我が家にやってきた場合、その多くはテクニカルなアドバイスよりも、お母さんを抱っこや授乳から少しの時間だけでも解放させる、そんな社会的な支援が有効なのではないか" 大いに同意。
  • 記憶についてのあれこれ 2 <「ひとつとはなにか」> - ふぃっしゅ in the water

    月に一回、グループホームに暮らす父に会いに行きます。 父が住みなれた地域のホームなので特急で2時間ほど離れていますが、ひと月ごとに車窓の風景が変わるのを楽しみながらの小旅行です。 先月は残雪があったのに、先日は桜と菜の花、桃やこぶしが続く春の風景に変わっていました。 先月はグループホームのスタッフに「私の妹です」と紹介していましたが、先日は「懐かしい顔だけれど誰だろう?」という感じでした。 話をしているうちに、「妹」が蘇ってきたようです。 グループホームは目の前が広大な市民公園という、散歩が好きな父にとってすばらしい場所にあります。 噴水を見たり、二人でぼっとしながらしばらく公園で過ごしたあと、近くのコンビニでソフトクリームをべるのがお決まりのコースです。 父が認知症になったあと、母から「お父さん、ソフトクリームが大好きなのよ。買い物に出かけると『アレをべよう』って名前が出てこなくてこ

    記憶についてのあれこれ 2 <「ひとつとはなにか」> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2014/04/08
    記憶、持ち物色々そぎ落として、それでも最後に手元に残しておきたいものって、私にとっては何になるかなぁ…。この境地に至れるかなぁ…。
  • 母乳のあれこれ 16 <「乳腺の詰まり」とは何か> - ふぃっしゅ in the water

    乳腺炎というと、「乳腺が詰まった」という表現が使われることが多いと思います。 「乳腺が詰まる」 これはどういう状態を指しているのか、案外まだきちんと整理されていはいないのでしょうか? <「乳栓」とは何か> 乳腺を詰まらせる原因として実際に「乳栓」あるいは「乳汁栓」というものがあります。 たとえば、「周産期医学必修知識 第7版」(東京医学社、2011年)の「産褥乳腺炎」の「乳汁うっ滞、うっ滞性乳腺炎」の中にも治療として「乳汁栓の除去を行う必要もある」と書かれています。 この乳栓とは何か。 「母乳哺育と乳房トラブル予防対処法 乳房ケアのエビデンス」(立岡弓子氏著、日総研、2013年)では以下のように書かれています。 乳栓の形成による乳管の狭窄・閉塞 乳栓とは、乳頭の扁平上皮や乳汁中の成分(カルシウム、脂質、タンパク質)により固まる、乳頭の先にできる白い斑点である。 約1mm程度の斑点であり、爪

    母乳のあれこれ 16 <「乳腺の詰まり」とは何か> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2013/11/10
    "マッサージをしていると、最後の方になるとざらざらとした物がたくさん出始めます。色は白だけではなく、ピンクや黒、時には緑色(snip)服の繊維が、乳腺の開口部から奥の組織に入り込んで存在していた" びっくり!
  • 母乳のあれこれ 21 <「後乳」は乳質の仮説のひとつ> - ふぃっしゅ in the water

    前回に引き続き、「母乳育児支援スタンダード」(日ラクテーション・コンサルタント協会、医学書院、2008年)の「文献にみる『乳質』考察」から、「後乳」について考えてみようと思います。 この中で、1988年にWoolridge氏(参考文献からおそらくアメリカ)が考えた仮説が紹介されています。 Woolridgeは、母乳の中の脂肪のもつ重要性に着目し、脂質の量を「質」の目安と考えた。 結論として脂肪は、夜か昼か、授乳の長さ、授乳の間隔によって左右されることがわかった。頻繁な授乳をすると「濃い母乳」が出ることがわかった。意図的に授乳間隔を空けたり、左右の乳房を短時間の授乳で替えたりすることで、前乳だけを飲んで乳糖の摂取が過多になると赤ちゃんの消化器を刺激し、母乳がゆっくり消化されずに胃腸を通過するために、水っぽい緑便がですという(著者注:母乳育ちの赤ちゃんの便が空気に触れて酸化して緑色になるのは

    母乳のあれこれ 21 <「後乳」は乳質の仮説のひとつ> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2013/11/10
    "本当に存在するかどうかわかっていないのに「よい母乳(後乳のすばらしさ)」を強調することで、母乳育児支援の中でミルクを使うことへの否定的な感情や罪悪感にならないように願うばかり"
  • 行間を読む 6  <必要な答えは液状乳児用ミルクではないか> - ふぃっしゅ in the water

    医療用物品というのは、安全性、感染予防、そして使いやすさという点でどんどんとよい製品に改良されています。 その中で、30年前に比べてもほとんど変わっていないのが、粉ミルクと哺乳ビン、そして哺乳ビンの消毒方法です。 電子レンジで消毒できるようになったことが、少し前進したぐらいでしょうか。 相変わらずポットにお湯を準備し、粉末あるいはキューブ状のミルクをお湯で溶いてそのつど調乳しなければなりません。 使い終わった哺乳ビンや乳首は洗剤と十分な水で洗浄し、薬液での消毒をする必要があります。 なぜ、乳児用ミルクと調乳や哺乳に必要な物品は旧態依然のままなのでしょうか? <震災時の授乳の想定外のこと> 前回の記事で、「母親が亡くなったり、けがなどで人工乳が必要なことがある」というまさに想定外の経験が、「ペリネイタルケア」2013年3月号(メディカ出版)に書かれていることをを紹介しました。 それ以外に、「

    行間を読む 6  <必要な答えは液状乳児用ミルクではないか> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2013/07/29
    "ライフラインが不安定な災害時にお湯を準備し、十分に清潔にできない人の手で調乳をする方法を、あの未曾有の震災を体験してもなお変えようとする動きがないのはなぜでしょうか?"
  • 災害時の分娩施設での対応を考える 4  <「分娩施設」とは助産師のいる施設のことだけなのか> - ふぃっしゅ in the water

    看護協会が出した「分娩施設における災害発生時の対応マニュアル作成ガイド」の「分娩施設」とは、どのような施設のことを指しているのでしょうか? こちらの記事で、「看護管理」2012年12月号(医学書院)で引用された「助産師数別の分娩機関数」のデーターを紹介しました。 2002年のものなので古いものですが、「助産師一人未満」つまり助産師が勤務していない分娩施設が、病院で4.7%、診療所では44.2%もあります。 日の分娩施設というのは医師と看護師で対応している施設がかなりあり、周産期医療を支えてきたということです。 <助産師のいない施設でのフリースタイル分娩> それなのに、「対応マニュアル作成ガイド」に「フリースタイル分娩」や「院内助産」が対応策であるかのように書くことは意味があることなのでしょうか? 災害時の分娩介助方法として「フリースタイル分娩」が有効であるならば、産科に勤務する医師や

    災害時の分娩施設での対応を考える 4  <「分娩施設」とは助産師のいる施設のことだけなのか> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2013/07/20
    "災害時の対応マニュアルというのは、すべての分娩施設を視野にいれたものにするべきです。/特に日本看護協会が出すのであれば、助産師のいない施設に勤務する看護師さんにも役立つものでなければならないはずです。"
  • 簡単なことを難しくしているのではないか 3 <オールマイティにはなれない> - ふぃっしゅ in the water

    こちらの記事で、自分なりに考えた「達人」のレベルに近い働き方ができるようになってきたことを書きましたが、それは経験量が増えたこともありますが、比較的ローリスク対象のクリニックで10年ほど継続して働いてきたこともあると思います。 今、私が周産期センターに移動したら、一からとまでは言わなくても初心者なみに近い働きになる部分もあります。 周産期医療というひとつの分野でさえ、その領域はかなり広くて、施設によって助産師に求められる知識や技術も違うからです。 分娩の医療化、分娩の施設化が急速に進んだ1960年代以降、助産師はそれまでの建前上の「正常分娩を独立して取り扱う」ものから、病院で「異常分娩になっても関わる」ことへと変わりました。 「建前上」というのは、「出産の正常と異常について考えたこと 3 <『正常』の変遷>」で書いたように、「正常」というのは社会の情勢によってもその境界線は変化してきたこと

    簡単なことを難しくしているのではないか 3 <オールマイティにはなれない> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2013/07/10
    "「正常な分娩のみを介助する」ことを選択する(snip)そういう簡単なことなのに、出産の介助者として救命救急の力量不足の助産師のほうがカリスマ視されてしまった"
  • 産後ケアと出稼ぎ 4 <赤ちゃんと母親が一緒にいられるということ> - ふぃっしゅ in the water

    前回の記事で紹介した西インド諸島のセント・キッツ島でも、政府により母乳哺育がすすめられていきました。 おそらく文脈から1980年代のことだと思いますが、ダナ・ラファエル氏は「母親の英知 母乳哺育の医療人類学」の中で以下のように書いています。 世界中の保健に携わる省庁の役人は、最近になって母乳哺育の良さに気づき、その数が減らないように配慮し始めました。セント・キッツ島の政府は女性を対象として「どうすれば母乳哺育に成功するか。どうすれば必要でもないミルク哺育をしないで済むか」を教える指導計画を思案中です。これで病院の一日も変わるでしょう。 しかし、こういうふうに母乳を力説するようになったわりには、実際はなかなか理想どおりにうまくはいかないようだとジュディ(*引用者注、ダナ・ラファエルの共同研究者)は言います。 (中略) それに98%の母親が病院にいる間は母乳を飲ませているのに、退院して家に帰る

    産後ケアと出稼ぎ 4 <赤ちゃんと母親が一緒にいられるということ> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2013/07/03
    "「7.母子同室にすること。赤ちゃんと母親が一日中24時間、一緒にいられるようにすること」""それは世界の大半を占める、産後赤ちゃんのそばでゆっくりすることも許されず、ミルクを足して働きに行かざるを得ない貧
  • 産後ケアと出稼ぎ 3  <母親の経済的要因、社会的要因> - ふぃっしゅ in the water

    1970年代、高度経済成長期の日は少しでも豊かな生活を、と目指していた時代でした。 そのためには現金収入が必要になります。 こちらの記事で「若達は競うように誘致工場に終了しているため(生活が貧困なためではない)」「所得倍増、経済優先の志向が住民の心を占めており」とやや批判的に書かれていることを紹介しましたが、貧困から少し脱した人たちがもう少し豊かな生活を求めるのは当然のことだと思います。 「豊かな生活」には、子ども達を学校に行かせることも、テレビや車などを購入することも含まれることでしょう。 前回の記事で書いた東南アジアから海外出稼ぎに行く人たちも、この岩手県の状況に似ています。 最貧困層ではなく、高卒あるいは大卒(教育制度が異なるので大卒でも20歳)であり、ブローカーに準備金を支払える層の人たちです。 <ダナ・ラファエル氏の人類学的調査> 「母親の英知  母乳哺育の医療人類学」(ダナ

    産後ケアと出稼ぎ 3  <母親の経済的要因、社会的要因> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2013/07/03
    "日本のお母さんたちもまた、状況は違っても、経済的には豊かであっても、家事と育児を一人で抱え、だれも変わってくれる人がいない不安の中でなんとかやりくりしている"
  • 産後ケアとは何か  19 <宿泊型ケア施設の需要と現状> - ふぃっしゅ in the water

    いわゆる産褥(さんじょく)入院のような、出産後1〜2ヶ月以内に母子共に入所できる施設の需要はどうなのだろうと気になって調べているのですが、そうした調査や研究はあるのでしょうか。 あるいは、実際に産褥入院や産後ケアシステムを始めた施設の利用状況や問題点はどうなのかという全国調査があるかどうかも調べてみましたが見つかりません。 産後ケア施設で検索すると、「良かった」という利用者の経験が書かれたブログが多くみつかります。 その中で、もう少し踏み込んで問題点までまとめているブログがあり、とても参考になりました。 「あかちゃんをたくさんのぬくもりの中で育てる 抱っこ&おんぶ紐のお店 あかちゃんといっしょ」というブログの2009年1月20日の記事に、「産後ケアセンター」として実際に世田谷区の武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町を利用しての感想が書かれています。 産後ケアセンター桜新町では宿泊型のショー

    産後ケアとは何か  19 <宿泊型ケア施設の需要と現状> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2013/07/03
    "ショートステイやデイケアをすぐに申し込みたいときというのは、のっぴきならない状況がある" "産後のお母さん達にはこうしたケアマネージャー的な存在がない" "このサービスを本当に受け取ったほうがいい人に本当に
  • 新生児のあれこれ  24  <兄・姉からの感染> - ふぃっしゅ in the water

    前回の記事で書いたように、退院後まもなく感染症で入院する新生児がいます。 特に、経産婦さんの赤ちゃんの場合、上の子の風邪や感染症をもらいやすいようです。 あるいは退院後に産後の手伝いがなくて、上の子の保育園や幼稚園の送迎をしなければならないお母さんたちもいらっしゃいます。 生まれたばかりの新生児を家に置いたままにするわけにはいかないので、「送り迎えのときに赤ちゃんを連れて行ってもいいでしょうか?」という質問も多いです。 経産婦さんは初産の時に比べて体調も早く回復するので退院後も家事・育児とこなせますから、送迎自体がお母さんの体力にそれほど負担ではない方が多いようです。 「保育園や幼稚園ではどの子が感染症の潜伏期にあるかわからないので、さっと行って、他の子に赤ちゃんを近づけないようにしてさっと帰ってきてくださいね」としかアドバイスのしようがありません。 他に、送迎を頼める人がいないのですから

    新生児のあれこれ  24  <兄・姉からの感染> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2013/05/05
    "「上の子の世話をする人がいない」(snip)理由の方こそ、出産そして退院近くに上の子が感染症にかかることを想定して、何とか上の子を世話してもらえる方法を考る必要がある"
  • 医療介入とは 45  <「産ませてもらう」と感じる時ー妊娠編> - ふぃっしゅ in the water

    医療者側にとっては、妊娠した女性が前向きに妊娠・出産そして育児までに必要な知識を得て準備してほしいという期待があります。 それが危険な状況を回避し、より順調に過ごすための最低限のことだと医療者側は考えます。 危機的な状況とは妊娠・分娩に伴う心身の異常という意味だけでなく、広い意味での家族関係の危機も防ぐことができるという期待です。 妊娠中には心身がこのように変化する、出産はこのように進む。 そういうことを知っていれば、妊娠・出産への対応能力や解決能力が備えられるだろう。 そういう期待から、妊娠中にさまざまな保健指導の機会を設けます。 あるいは、自主的に自分でそういう情報を集めて準備するだろうと期待をしています。 多くの医療従事者にとっては、たとえば疾患を理解する時に、解剖・生理の基礎的な知識の上に病態の理解をし、その上で予防方法や治療方法、そしてその疾患にかかった場合の経過や予後はどうなの

    医療介入とは 45  <「産ませてもらう」と感じる時ー妊娠編> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2012/11/10
    「特に家族関係や経済的な面での変化が、妊婦さんの「主体性を感じられない言動」と医療側が感じやすい部分に実は大きな影響を与えているのかもしれません。」
  • 医療介入とは 2  <初産と経産> - ふぃっしゅ in the water

    医療介入の具体的な内容をひとつひとつ考えていく前に、妊娠・出産そして育児も含めて初産婦と経産婦の違いが大事なポイントではないかと思っています。 というのも、出産における「医療介入」の議論の中では、案外この「初産と経産」の分娩経過の差と医療介入の必要性の差が考慮されないままのことが多い印象を受けるからです。 たとえば院内助産や助産院・自宅分娩の賛否両論の議論の中でも、初産と経産の医療介入の必要度がやんわりとぼやかされたまま、病院で産んだから医療介入が多く、院内助産・助産院などで産めば医療介入が少ないという認識を持っていらっしゃる方が少なからずいることがわかります。 たとえば「ひとり目の出産は、お腹を押されて吸引分娩で産まされたつらいお産だった」が、「今回はからだ作りをして、助産院で自然に安産でいいお産ができた」といった感想を目にします。 私からすれば初産と経産の分娩の違いは天と地の差ぐらいあ

    医療介入とは 2  <初産と経産> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2012/08/24
    「初産ということ自体がハイリスクと言ってもよいのではないかと。 無事に出産を終えて、さらに赤ちゃんの世話に少し慣れて退院されるまでに、初産婦さんに対しては経産婦さんとは比較にならないぐらい医療リソース
  • 院内助産とは 1 <「院内助産」いつ頃から使われたか> - ふぃっしゅ in the water

    「院内助産」、ここ数年でマスコミの報道などでも耳にするようになりました。 きっとなんとなくよいイメージができあがっているのではないかと思います。 私からみたら、「院内助産」という言葉はもっと違うニュアンスでずっと前から使っていました。 きっと私と同じ世代の助産師なら、そういう人もけっこういるのではないかと思います。 <院内助産の言葉はいつ頃から使われてきたか> ちょうど二十数年前、前回紹介した佐野病院が「助産科」に向けて動き始めた頃は日でも「自然なお産」「医療介入のないお産」を求める動きが高まって、昔ながらの開業助産婦さんたちに再び注目が集まっていました。 それまでは風前の灯だった分娩を取り扱う助産所も、当時30代、40代の若い助産師が新規開業をするなど活気を取り戻していました。 助産婦学校でも助産所実習を取り入れるところが出始めていました。 当時の助産婦教育課程は、通常、大学病院や国公

    院内助産とは 1 <「院内助産」いつ頃から使われたか> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2012/07/06
    「「院内助産」と「(助産師による)会陰切開・縫合術」は切っても切れない関係」
  • 完全母乳という言葉を問い直す 32 <再び「母親の英知」より> - ふぃっしゅ in the water

    以前もどこかで書きましたが、最初の2〜3ヵ月ぐらい泣きながら育っているのかと思うほど大きな声でよく泣く赤ちゃんがいます。 目が覚めると激しく泣いておっぱいもダメ、あやして落ち着くのを待ってから授乳。そして少し飲むとまた激しく泣く・・・その繰り返しです。 お母さんのほうがノイローゼになるのではないかと心配してフォローしていた方が何人かいました。あるお母さんは「3ヶ月ごろから急に泣かなくなった。目が見えるようになってきたからかな」とおっしゃっていました。正解かどうかわかりませんが、お母さんというのは赤ちゃんの変化をよくみているものです。 ここ数年でしょうか。 入院中に激しく泣く赤ちゃんを前に、「家に帰ってこんな泣き方だと『虐待している』って思われちゃいますよね」と心配を口にする方が増えてきました。 以前は、お母さんの口から虐待なんて聞いたことはなかったのですが。 実際に近所の人から保健センター

    完全母乳という言葉を問い直す 32 <再び「母親の英知」より> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2012/06/16
    「いかなる布告も断定もまたそれを出す人々も、実際の子どもを育てる現場からはほど遠いところにいるのだから、哺育をどうするかといったきわめて個人的な決定に口をはさむ資格などないはずです。」
  • 完全母乳という言葉を問い直す 30 <災害時の母乳代用品の監視行動> - ふぃっしゅ in the water

    「監視行動」というのもとてもものものしいのですが、なぜ東日大震災の時に突然「紙コップの授乳方法」が良いものとして広められたかというのも、前回までの記事で書いたような「母乳代用品、哺乳びん、人工乳首の寄付ははたとえ善意であっても、誤った援助です」(「災害時における乳幼児の栄養」)という考えに基き、監視を行っている人たちがいるからと言えるでしょう。 おそらく「紙コップの授乳方法」を初めて知った方は、「もし哺乳びんが使えない状況でもこうやって飲ませられるのかという日頃考えもしなかった便利な知識に感動!」ぐらいの受け止め方で、メッセージを広めたのではないかと思います。 そのメッセージには「被災地に粉ミルクや哺乳ビンを送ることは善意でも誤った行動」というもうひとつの強力なメッセージがこめられていたことに気づいた方は、どれくらいいたことでしょうか。 <東日大震災での監視行動> http://d,h

    完全母乳という言葉を問い直す 30 <災害時の母乳代用品の監視行動> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2012/06/14
    「水がない、あるいは水が汚染されている可能性が高い被災地だからこそ、水のいらない調乳済みミルクが一番乳児の感染リスクが低い飲み物になる、と考えるのは常識的だと思います。 しかも、国内メーカーで作られ、
  • 完全母乳という言葉を問い直す 29 <災害時の完全母乳『戦略』> - ふぃっしゅ in the water

    前回と今回のタイトルに「戦略」という表現があることに、戸惑うかたもいらっしゃるかもしれません。 母乳に関して「戦略」なんてものものしい表現ですよね。 でも前回の記事の中で紹介したように、WHO/UNICEFの「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」のように、完全母乳を勧める動きの中では戦略(strategy)という表現は当然のように使われているものなのです。 もうひとつ「監視」(monitoring)という言葉も、母乳推進運動の中でよく目にします。 何を監視し、どのように行動することが勧められているのかは、IFEコアグループの「災害時における乳幼児の栄養 〜災害救援スタッフと管理者のための活動の手引き〜」の最後の部分を紹介します。 「国際基準」の違反行為は国/地方レベルでWHOへ報告しましょう。 <援助か販売促進か> 「母乳代用品の『国際基準』の適用範囲」とは以下のことです。 (母乳代用品

    完全母乳という言葉を問い直す 29 <災害時の完全母乳『戦略』> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2012/06/13
    「「母乳代用品、哺乳びん、人工乳首の寄付はどんなに善意であっても、誤った援助です」 こういう考え方が広がり、相互に監視する社会はなんて息苦しいことでしょうか。 被災時の母親は、それほど監視されないと「援
  • 完全母乳という言葉を問い直す 28 <国際的な完全母乳『戦略』> - ふぃっしゅ in the water

    昨年の東日大震災の初期に、「災害時でも母乳で」「哺乳ビンでなく紙コップで」「母乳だけで授乳しているお母さんにはミルクを配布しないで」というメッセージをよく見聞きしました。 未曾有の非常時にそのメッセージからくる唐突感と違和感は何なのかと思ってネット上で調べていたときに、「災害時における乳幼児の栄養  〜災害救援スタッフと管理者のための活動の手引き〜」(IFEコアグループ、2007)の存在を知りました。 (直接リンクはできないようなので、お手数ですが上記名で検索してみてください) IFEコアメンバーというのは、UNICEF、WHO、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)、WFP(国連世界糧計画)という国連機関とIBFAN-GIFA、CARE USA、Eondation Terre des hommesおよびENNという団体がメンバーのようです。 <IFEコアメンバー> 任務の中には以下の

    完全母乳という言葉を問い直す 28 <国際的な完全母乳『戦略』> - ふぃっしゅ in the water
    eulewald
    eulewald 2012/06/12
    「また「女性は母乳を続けられるように教育されるべき存在」のような視線はうっとおしいものです。 自分のことは自分で決める、それこそがエンパワーメントだと思うのですが。 まして完全母乳が乳児の権利のように言
  • 完全母乳という言葉を問い直す 27 <災害時のフェーズ0> - ふぃっしゅ in the water

    災害発生時から24時間までをフェーズ0(ゼロ)と区分していることを2012-06-09 - ふぃっしゅ in the waterで紹介しました。 災害発生直後に避難してきた方を受けいれる状況はどのようなものでしょうか。 私自身は直接その受けいれ支援の経験はありませんが、1980年代にインドシナ難民キャンプで働いていた時の記憶が多少あります。 私が働いていた難民キャンプは、東南アジア各国の沿岸に漂着したベトナム人のボートピープルと呼ばれる人たちを受け入れていました。 よくテレビで漁師さんが数人乗った漁船が映されますが、あのくらいの漁船に数十人から百人近い人が乗って戦火の祖国から脱出しようと多くの漁船がベトナムを出ました。 船の中で立ち上がるスペースもなく、糧や水が尽きると自分の尿を飲みながら、ただただ炎天下のあるいは大しけの南シナ海でどこかの海岸にたどり着くことだけを祈り信じて海に出ました

    完全母乳という言葉を問い直す 27 <災害時のフェーズ0> - ふぃっしゅ in the water
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    eulewald 2012/06/11
    「災害直後の救援物資というのは、渡す側にも受け取る側にも躊躇させるようなことがあってはいけないのです。」