【ワシントン=山口香子】国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長が9日にも理事国に配布するイラン核問題に関する報告書で、イランが核爆弾の起爆装置に必要な技術の開発を秘密裏に進めていることを示す具体的情報が盛り込まれることが分かった。 米主要メディアが7日、一斉に報じた。イランが否定する核兵器開発の意図を裏付けるもので、米国などは制裁強化に向けて圧力を強める構えだ。 米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、報告書は、テヘラン近郊にあるパーチン軍事施設内に、イランが高性能起爆装置の実験用に建設したとみられる建造物を特定。独自開発が困難な起爆装置製造に関連する精密技術の取得に、ロシア人科学者の指導を受けていたとした。また2004年以降、核爆弾製造に必要な高濃縮ウランの成形技術をコンピューターでシミュレーションしていた証拠も提示する。 いずれも核爆弾製造以外に用途のない技術で、発電など原子力の