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ブックマーク / bachihebi.hatenablog.com (57)

  • 好きとか嫌いとか最初に言い出した奴は既に死んでいる - 回転図誌

    私は大抵の生物について面白いというか興味深いと思っていて、特に嫌いな種はないのだけれど、一般的にはどうもそうではないらしく、特定の生物を忌み嫌う人はなかなか多いようです。 「生理的に嫌い」という言葉は大変便利なので使いたくなってしまう気持ちもわかるが、大抵の場合それは嫌いな理由を考えていないか又は嫌いな理由を言いたくないだけである。前者の場合は自身がバカであることを公言しているわけであり、後者の場合は相手をバカにしているわけである。いずれにしろ多様は避けたい。生理的に嫌いって言う奴が生理的に嫌い。 生理的に嫌いって実在する感覚なのかしら。突き詰めるとそれは何か気持ち悪い模様なんかに対してしか適応できない感覚のような気もする。 嫌われていることが多いのは節足動物、なかんずく陸上の節足動物でありましょう。昆虫やらクモやらムカデやらです。 特にごきかぶり先生の負の人気たるや凄まじく、他の追随を許

    好きとか嫌いとか最初に言い出した奴は既に死んでいる - 回転図誌
  • 埃手 - 回転図誌

    Yさんの実家には古い木造の倉があった。 造られてから百年は軽く経っているという年代物である。 この倉を、年に二回ほど家族総出で大掃除する。 Yさんが小学生の頃、この大掃除について気が付いたことがあった。 お父さんが、ある物を必ず真っ先に拭くのである。 大掃除はまず、大小さまざまな箱やら何やらを外に運び出すところから始まる。 しかしお父さんは必ずそれよりも先に、倉の一階の奥にある古い長持に雑巾をかけるのだ。 Yさんも最初の頃は特に気にしていなかったのだが、次第にそのことに疑問を持つようになった。 しかしそれを聞いてみても、お父さんは「大したことじゃない」と言葉を濁すばかり。 そのうちにYさんの方もこのことを気にしないようになって、やがて忘れていた。 Yさんが大学生の時、お父さんが倒れた。心臓の持病が悪化したのである。 命に別状はなかったものの、二週間ほど入院することになった。 家の手伝いのた

    埃手 - 回転図誌
  • 荷台 - 回転図誌

    Fさんが通っていた高校では、自転車で通学する生徒が一人もいなかった。 別段、校則で禁じられていたわけではない。以前はそれなりの人数が自転車で通っていた。 ある頃を境に誰も自転車に乗らなくなったのは、こういう経緯があったらしい。 Fさんが二年生の夏休み、一年生の女子がひとり亡くなった。 部活動の帰りに自転車の二人乗りをしていたところ、ハンドル操作を誤って転倒。後ろに乗っていた方の女子生徒が頭を強く打ち、帰らぬ人となったのである。 八月の登校日に全校集会でこのことが告げられ、校長先生から亡くなった女子への追悼の言葉や二人乗りの危険性が語られた。 その女子が出る、という噂をFさんが聞いたのは二学期になってからのことである。 一年生の何某が下校中に見た、などという曖昧な話で、Fさんもよくある流言だと思っていた。 その話を聞いた数日後。 部活動が休みだったので早く下校しようとを履いたFさんは、友人

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  • テレビばっかり見ているとろくな人間にならない - 回転図誌

    ご無沙汰してます。 「魔法少女まどか☆マギカ」は久兵衛さんの言動が女衒のそれとしか思えないので、遊郭モノとして楽しんでいる。そう考えると、その道に誘ってくれた先輩が非業の死を遂げたり、親友が男のために女郎になったりして、意外に遊郭モノの王道展開を踏襲していることがわかる。 森林から生まれた森林太郎(鴎外) ゴーカイジャー始まったけど、また敵組織に当たり前のようにブレドランさんが混じってるんじゃないかという不安を拭い去れずにいる。またお前か、という言葉を私の心は既に用意している。いつでも出てこい。 エンディングテーマで過去の戦隊の名前を覚えさせようと連呼するので、「はたらくくるま」を彷彿とさせる。 何で地デジ見てるのに鹿野郎が出てくるのだろう。嫌がらせだろうか。それとも何か他の重大な意図が。 客人神信仰の一形態として、共同体を訪れたよそ者を神の化身とみなして盛大に歓待し、その後に殺して常世に

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  • ザ・セイント・オブ・ハイランド - 回転図誌

    その頃わたしは軌道エレベータ協会に務めていて、主に施設の修復・保全を担当する部署にいた。 人類の叡智を集めて築かれた巨大な柱も、流石に築百二十年ともなるとあちこち経年劣化が目立つ。お蔭でわたしの部署は常に仕事に追われており、一年の大半を上層で過ごさざるを得なかった。 そんなわけでわたしは迷うことなく、半年振りに手に入れた休暇を地上でゆっくり過ごすことに決めたのだった。というより前々から「今度休みが取れたら下に降りよう」と決心していたのだ。 久しぶりに故郷に顔を出そうか、それともどこか旅行にでも行こうか。そんな楽しい迷い方をしながら、わたしはエレベータの二等客室に乗り込んだ。安いだけあって普段は大抵満席の二等だが、この時は時期外れを狙ったのが功を奏して乗客も疎ら、まずまず落ち着いた旅になりそうだった。走り回ったり泣き喚いたりしそうな小さい子供がいないのも幸運だった。 手荷物を収納して席に落ち

    ザ・セイント・オブ・ハイランド - 回転図誌
  • 拡張家族 - 回転図誌

    やはり、携帯電話に何かあるような気がした。 なぜだか気になって仕方がなかった。 私の物ではない。死んだ知人の持ち物である。 順を追って話そう。 高校の同級生だった浦辺が死んだ、という報せが警察から来た。 なぜ私に、と聞くと浦辺には連絡のつく親類がいないためだという返事だった。 遺品の中から私の連絡先が見つかったらしい。 私にしても浦辺に会ったのはもう三年くらい前が最後なので些か面らう。 その時にも彼は一人暮らしをしていたようだが、最期まで孤独だったということなのだろうか。 もう少し連絡を取っておけばよかったな、と今更ながら後悔しつつ、詳しい話を聞きに警察署へ行くことになった。 出向いた私を迎えたのは初老の穏やかな刑事だった。 「浦辺さんは自宅で発見されましてね。新聞が新聞受けに溜まっていることに疑問を持った管理人が通報してきました。この猛暑ですが、ずっとエアコンが動いていたようで……そこ

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  • 拡張献花 - 回転図誌

    S市東通り交番で高嶺巡査が勤務中、若い男がふらりとやってきた。 男は、入って来た時からすでに様子がおかしかった。きょろきょろと視点は定まらず、足取りもおぼつかない。 高嶺は男が酔っているか、或いは薬物中毒ではないかとさえ疑った。 「お巡りさん……俺、どうしたらいいんでしょう」 「は?」 突拍子もない問いかけに高嶺は何とも応えようがない。 「事故が起きて、俺が、その」 事故という言葉で高嶺にも緊張が走る。とりあえず男を座らせて、詳しい話を聞くことにした。 男は市内に住む大学生で、斎藤と名乗った。 斎藤はまるで落ち着かない様子で、説明も切れ切れな上に話が前後して大層理解が難しかったのだが、大体以下のような話だった。 ――斎藤はARに興味を持っており、昨年公開されたARアプリを携帯端末で多用していた。 端末のカメラを通した画像に、様々な情報のタグを付けてゆくのが楽しかった。他の人の付けたタグを見

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  • あとがきにかえて / 記憶の断片が行動を左右することは意外によくある - 回転図誌

    最後の写真をblogに掲載してから、bachihebi(仮)は長い溜息をついた。 ――やっと終わった。 達成感と言える程の感動はない。 写真を一枚撮って掲載するだけの単純な作業である。毎日続けたとは言え、たったの四ヶ月足らず。 そもそも、blogの内容は自分のモノだ。望み通り始めて、望み通り締め括ることができた。それ以上の経過は望むべくもない。 ただ、気楽だったというわけでもない。写真に添える文章が思い浮かばないまま、二時間以上も編集画面を凝視していたことは一度や二度ではない。 それなりに真剣だったのである。途中で止めようとは一度も思わなかった。心配だったのは不測の事態で中断してしまうことであり、自分の意思で止めようとする事は考えられなかった。 何故だろうか。何故、この企画を始めようと思ったのだろうか。 元は、稲の生育を毎日観察したら面白いのではないか、という位の発想だった。 だが果たして

    あとがきにかえて / 記憶の断片が行動を左右することは意外によくある - 回転図誌
  • 千の風になるためには風葬に限る百六日目 - 回転図誌

    盆に帰省した私を、兄が車で迎えに来た。その隣に兄嫁の姿を見つけて、思わず身を硬くする。 正直、兄嫁は苦手だった。 彼女は私の高校時代の二年上の先輩で、同じ部活に所属していた。華やかな容貌ではないけれど、柔らかい雰囲気の女性だった。 入部当初から、彼女はあれこれ世話を焼いてくれた。それは私だけのことではなくて、他の部員皆に対してそうだった。要するに、世話好きな女性だったのだ。 他の部員達からは随分信頼されていたが、私はそうではなかった。こちらの気持には頓着せず、ずかずかと他人の領域に踏み込んでくる。誰にも言わなかったが、そんな所が苦手だった。 彼女が傍にいると、何となく落ち着かない気分になった。居心地が悪いという訳ではないが、据わりの悪い心地がしてならなかった。 何でそこまで彼女に反応してしまうのか――それすらよく判らなかった。 だから、一年経って先輩が卒業した時には、密かに安心したことを良

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  • 暑くても服は着たほうが良い九十三日目 - 回転図誌

    暑い日が続き、全裸で過ごす者も増える季節。 しかし勘違いしてはいけない。 暑いからといって忽然衣服を脱ぎ捨てるような者は真の全裸主義者(zenrist)ではない。 全裸主義者は気温湿度その他いかなる条件も気にすることなく服を脱ぐ。 暑い日も脱ぐ。しかし寒い日も脱ぐ。 暑くも寒くもない日も当然脱いでいる。 開放された彼らの肉体はその内包する自然を存分に謳歌する。 彼らを縛るものはただ法律のみである。 生まれたままの姿で往来を闊歩すると即刻御用、それは彼らも望む所ではない。 ゆえに彼らは全裸を家屋に隠す。 自室内の裸体は誰にも咎められることがない。 開放している筈の裸体は堅牢な壁に遮蔽され、決して衆目に晒されない。 しかしそれは――家屋が彼らの衣服となっているのではないか。 世界と自己を隔つ壁の数において、屋内の裸形は屋外の着衣と何の異なることがあろう。 ならば真の全裸とは――屋外の全裸なので

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  • 古譚 - 回転図誌

    「『ラブプラス』美少女キャラ汚された」 漫画雑誌ストーリーにネット騒然 昔々、あるところ。 「……!」 「…………!!」 街中で騒ぎが起こっています。一人の少女を、何人もの男が恐ろしい顔をして取り囲んでいます。 少女は国民的ガールフレンドでありながら非処女だったことを、男たちに糾弾されているのです。 律法では姦淫の罪は石打ちと決められています。 そんなわけで男たちが手に持った石を少女に投げつけようとした、まさにその時です。 「待てぃ!」 辺りに声が響き渡りました。 「何奴!?」 「お前たちに名乗る名などない!」 砂塵と共に現れたのは、いささか質素ないでたちをした一人の男でした。 しかしその風貌には只者ならざる気配が漂っています。 男は厳かな様子で皆に告げました。 「この娘の行いが罪というならば……よろしい、ではこの中で処女から生まれた者が、最初に石を投げなさい」 非処女が罪だというならば、

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  • 田植始まった、というか近場では大体終わった - 回転図誌

    稲の写真を毎日(希望)掲載して文芸と言い張る試み。

    田植始まった、というか近場では大体終わった - 回転図誌
  • オシャレ関係 - 回転図誌

    ひと月ほどご無沙汰しておりました。 二日連続完徹して頭が煮詰まってきているので、折角だからややこしいことを思いつくままに書きます。 人文っぽいことを書きますが門外漢の素人考えなので見苦しいところは流していただきたい。 ここしばらく、関係というものについて考えている。 人間が世界を認識する時の方法として、「点で捉える」場合と「線で捉える」場合がある。 「点で捉える」というのは物質なり現象なりを独立した記号としてそれぞれ区別してゆくということ。言葉というものは物事を名付けることでその他のものから切り離す作用があるが、それは「点で捉える」という人間の思考の性質によるものではなかろうか。 「線で捉える」とは、物事と物事の間に発生する関係を取り出して考えるということ。関係を考えるという事は物事の意味付け、価値判断を行うということでもある。またこれは二点間の関係に限って考えるものではなく、三点間、四点

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  • ヴァレンタイン異伝 - 回転図誌

    2月14日はいわゆる聖人の日、聖ヴァレンタインの日である。ご存知のように邦ではこの記念日は異性に贈り物をする習慣として定着しており、料品店や百貨店ではチョコレートがここぞとばかりに陳列される。商業イベントとしても重要であることは言を俟たない。 しかしながらヴァレンタイン、あるいはウァレンティヌスと呼ばれる聖人の生涯については、記念日の知名度に反して驚くほど知られていない。一般的にはむしろチョコレートを贈る習慣こそが主体くらいに考えられており、聖人については単なる名目となっているのが実情であろう。 しかしこれは彼について知られていないというより、記録の乏しさゆえに明らかでない部分が多い、と言ったほうが正確でもあろう。その実在すら疑う説もあり、ゆえにカトリック教会ではこの人物の記念日を定めていないのである。総山であるローマでさえその様子であるから、キリスト教の盛んでない日では尚更である

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  • 『隣の家の少女』と『シグルイ』の共通点 - 回転図誌

    作品として評判の『隣の家の少女』(J・ケッチャム)を読みました。 隣の家の少女 (扶桑社ミステリー) 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,金子浩出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 1998/07/01メディア: 文庫購入: 66人 クリック: 960回この商品を含むブログ (240件) を見る 牧歌的で甘酸い導入部に続く、評判にたがわぬイヤな展開。私の中の殺伐ポイントが急上昇。 別に読み進めるのが苦痛だったりはしませんでしたが、読後イヤな夢見た。 惜しむらくは、もっと前に読みたかったということ。十代の頃に読んでいたらもっと心の底から堪能できて、一週間から半月くらいは暗い気持ちのまま立ち直れず、その後の人格形成に大きな影を落としただろうに。余談ですが十代の頃に読んで大変イヤな気分になった小説としては綾辻行人『殺人鬼』があります。 そんなわけで現在この、私選「中高生に薦め

    『隣の家の少女』と『シグルイ』の共通点 - 回転図誌
  • 蒲田はやっぱりハードコアシティ - 回転図誌

    年の瀬。早いもので今月が終わると、遂にゼロ年代が終わりますな。一年過ぎるのが早いと十年過ぎるのが早く、十年過ぎるのが早いと百年過ぎるのも早く、千年も万年も一炊の夢にございます。その理屈でいくと人類が滅びるのもすぐでしょうが、まあ皆さん幸せのうちに死ねるといいですね。年の瀬は大体いつもそんなことを考えていますが年の瀬でなくとも同じようなことを考えているので、つまるところ通常営業です。 来年という年について、私から確実に言えることはただ一つです。年明け直後から、数多のイラストサイトで虎縞衣装の女の子のイラストが公開されるでありましょう。高橋留美子先生は偉大ですね。 ストレンジジャーニーの攻略を買った。ゲーム画面ではよくわからなかった白ゼレーニンたんの全身像が載ってたのでグッド。合体後ヒメネスが裸足なのはいいとして、ゼレさんも裸足なのは意外な気がしたが、しかし過去作を思い出すに復活後のロウヒー

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  • 文学フリマ告知 折本できました - 回転図誌

    前回のエントリに書きました通り、折を粛々と作っておりました。 折企画であるBWNの「8P」については前回のエントリにあるリンクを見てください。 ちなみに私は今回BWNには企画段階で全く関わっておりませんので、完全に楽しむ側に回っております。正直言ってどんな折が集まるのか、ちょう楽しみです。 私の折は三種類できたので、これを持って十二月六日(日)、蒲田にて第九回文学フリマへ紛れ込もうと思います。 当日は折持ってうろついているか、折をBWNのブースに託してうろついているかしているはずなので、何卒よろしくお願いします。 ブツはこんなの。これを十円で売ったり物々交換したいな!できるかな!やりたいけれど少し足りないな!(主に正気が) 今回作ったのは自選ミニ怪談集『動物にまつわる話』『エレベーター四題』、童話『眠る人魚』の三です。 怪談集に登場する曰くつきのコンビニで先ほどコピーしてきま

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  • 折本作ります(ました) - 回転図誌

    お元気ですか?bachihebiです。又の名を蜂川蛇蔵。又ある時は椎名春介。あるいは罰山蛇太郎。場合により八畑蛇三郎。くどい。 というわけで今まで言及してなかったんですが、今度の文学フリマに折持って行こうと思っています。窓際のA-1あたりをふらふら歩くつもりです。……すみません普通に歩きます。折はA-1のブースに置かせてもらうか、いっそのことトレード専門でいこうと思ってます。 今のところ作る予定の折は自選怪談*1と、新作一冊です。予定なんで変わるかもしれませんが、とりあえず怪談は試作しました。手のひらサイズで八ページの軽量ですから、持ち運びに便利です。たとえば主婦の方でしたら、ご主人やお子さんのお弁当に怪談を添えたいときなんかにお勧めです。クリスマスやバレンタインデーのプレゼントに添えるのもいいですね*2。 白黒ならただのコピーでいいけど、カラー原稿にした場合はプリンタ印刷とカラ

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  • 折本を作ってみよう - 回転図誌

    ここを読んでいるお友だちはもうほとんどの人が知っているかもしれないけれど、今日は折の原稿がかんたんに作れちゃうサイトを紹介するよ。 http://8p.dip.jp/ そもそも「折」ってなんなのかよく知らないお友だちのために少し説明すると、折っていうのは一枚の紙に折り目と切れ目を入れるだけで手軽に作れるのことなんだ。詳しく知りたいお友だちは「折」で検索するとすぐにわかると思うよ。 このサイトを開いたら、真ん中あたりにある白い枠の中に文章を入力して、右下の「Go!」ってところをクリックするだけで、折の形に変換された原稿データがダウンロードできるんだ。あとはお家や職場のプリンタで印刷すれば、すぐに世界でひとつだけの折が手軽に作れちゃうんだって。でも職場の設備を私用で使ったらえらい人に怒られちゃうかもしれないから、職場で地位のひくいお友だちはお家で印刷したほうがいいね。職場で高い地

    折本を作ってみよう - 回転図誌
  • 塀の向こう - 回転図誌

    Fさんが中学二年生の夏に、家族揃って母親の実家に遊びに行ったときのこと。 夕方、Fさんは一人で縁側に寝転んでいた。ここは風通しもよく、西日も射さないのでうたた寝には丁度良い場所だった。縁側からは庭を挟んでブロック塀が見えており、その向こうは道路になっている。時折思い出したように自動車が通っていった。 見るともなしに通り過ぎる車を眺めていたFさんだったが、三台ほど見送った辺りでふと違和感を感じた。 (ここの道って坂だっけ?) 塀越しに見える通行車はどれも、向かって右側の方が左側より位置が高く見えるのである。左側から走ってきた車は最初は屋根の辺りしか見えていないのに、移動するに従ってその位置が上がってゆき、右側に去ってゆく頃には運転手の横顔が塀の上に見えるくらいの高さになっていった。右側から走ってくる車はその逆の見え方をした。 どうも塀の向こうの道が、左側から右側に上っている坂になっているとし

    塀の向こう - 回転図誌