雑誌The Bafflerのブログ「Zero Tolerance」でKathleen Geier*1が保守派のピケティ批判をまとめたのを受けて、デロングがProject Syndicate論説で右派の批判を分析した(同論説を表題の自ブログにも転載している;原題は「Over at Project Syndicate: The Poverty of Right-Wing Piketty Criticism」)。 デロングによると、ピケティの主要な論点は以下の5点だという: 社会の年間所得で基準化した富は、純貯蓄率を成長率で割った水準にまで増加(もしくは縮小)する。 時間の経過と偶然の結果により、富は「富裕層」と呼ばれる比較的少数の集団に必然的に集中する。 経済の成長率は、工業化で即座に得られる果実を収穫した後は、減速する。その一方で、累進税率の後退や、20世紀前半の混乱と崩壊の終結や、富裕層の