近年は、移民への反発とそれを利用した「ポピュリズム」というものが世界の政治における1つのトレンドとなっています。 一方、日本では昨年、出入国管理法が改正され、政府は否定しているものの、外国人労働者の受け入れに大きくかじを切ったと見ていいでしょう。つまり、日本でも将来、移民の問題が政治の大きな争点となる可能性が出てきたわけです。 では、移民は実際に受入国にどんな影響をあたえるのでしょうか? 経済を成長させるのでしょうか? それとも減速させるのでしょうか? あるいは移民の受け入れによって損する人と得する人が出てくるのでしょうか? この本はアメリカのハーバード・ケネディスクールの教授で、長年、移民について研究してきた著者が、移民のもたらす影響をできるだけ詳しく分析しようとした本になります。 著者はキューバ生まれの移民で、アメリカが今後も一定の移民を受け入れていくことに賛成ですが、同時に移民のもた