今日は、平成最後の大晦日の日になる。 残念なことに、平成の30年間は、日本が衰退を続けた時代だった。 そして、日本人の言語感覚が麻痺し、低下した時代でもあった。 この時代に登場した誤った日本語は多々ある。それらのうちで最も気になるのは、「さらなる」だ。 「さらなる発展のために」 というように使われている。正しくは、「より一層の発展のために」、また は「さらに発展するために」と言わなければならない。 「さらなる発展のために」 という用法は誤用である。だから、日本語から追放する必要がある。少なくと も公的な文書での使用は禁止すべきだ。 ◇さらなる」が誤りである理由 「さらなる発展のために」 という用法が誤用である理由は、「さらに」という言葉は副詞であり、これを「さら なる」と連体形で活用することはできない、という点にある。 この表現を使っている人は、「さらに」が形容動詞の連用形であり、そ の連
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