【第1話から読むのがオススメ】 隣のトトロおじさん(1) - どーでもイージー 隣のトトロおじさん(2) - どーでもイージー 隣のトトロおじさん(3) - どーでもイージー 隣のトトロおじさん(4) - どーでもイージー 隣のトトロおじさん(5) - どーでもイージー 満面の笑みで、荷物運搬用の一輪車、通称ネコを押してくる。 A男は、この時のめまいに、今年初めての夏を感じていた……。 「さ、遠慮なく乗って下さい。」 緑色のネコの持ち手を引き上げ、荷台を前方に傾けて、人が乗りやすいよう構えていた。しかも、誇らしげに。一体どこからその自信が湧いて出るのだろうか。 苛立ちを感じてはいたが、既に疲労困憊だった。この状態で歩き続けるよりは、どうせ直ぐに音を上げるのは目に見えていても、乗って少しでも距離を稼げればマシだと思い、特にうんともすんとも言わずに、傾けられた荷台に腰掛けた。 「さあ、遅れた分