教育改革ばかりが独り歩きして、どんなに頑張っても、成果や手応えを感じられない。そんな思いを抱き、もがいている学校や教員が多いのではないか――。映画『みんなの学校』の舞台である大阪市立大空小学校の初代校長として、現場からの教育改革に取り組んできた木村泰子氏は、今の教育現場に大きな危機感を抱いている。第1回は、退職後の講演活動で見えてきた学校現場の苦しみや、子供たちの10年後に必要な力について聞いた。全3回。 学校は何をする所なのか――2015年3月に大阪市立大空小学校(大空小)の校長を退任し、現在は講演を中心に活動されています。いま、どんな問題を感じていますか?退任後の3年間で講演活動などを通して、北海道から離島まで47都道府県全てに行きました。その中には子供が自殺して亡くなってしまったり、何人もの子供が不登校の状態にあったりなど、さまざまな問題を抱えている学校もあります。 学校によって抱え