なぜ日本人は英語を使いこなせないのか。慶應義塾大学教授の今井むつみさんの書籍『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』(日経BP)より、日本語の「着る」と英語の「wear」の違いについての解説をお届けする――。 「頭の中」を共有することはできない そもそも「話せばわかる」というとき、私たちは何をもって「わかった」としているのでしょう。 「相手の話がわかる」ということを、段階を踏んで表現すると、 ①相手の考えていることが ②言語によってあなたに伝えられ ③あなたが理解をすること といえます。 ここで問題となるのは、それぞれの頭の中をそっくりそのまま見せ合ったり、共有したりすることはできない、ということです。 それは単に「言葉によってすべての情報をもれなく伝えることはできない」というだけではありません。 「ネコ」という言葉のイメージは人
![なぜ英語で「洋服を着る」は"wear"ではないのか…日本人がなかなか英語を使いこなせない根本原因 物事を「母語のスキーマ」で考えている](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f46e669117aa1614b30221f394309af301148a99/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpresident.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F1%2Ff%2F1200wm%2Fimg_1f253cb47eb58295c7666ade970c6a0c998989.jpg)