各界の第一線で活躍する先人たちは、どんなターニングポイントを迎えてきたのか。今回は独自の企画で書店の売り場からヒット本を生み出してきた、書店員の新井見枝香さんにお話をうかがいました。 【新井見枝香】さんインタビュー 本は命を削るようにつくられたもの。思い入れすぎて、正気を失うほど売ることに執着してしまっていた パン屋さんのアルバイトの面接に出かけたはずが、帰りに立ち寄った書店に入社していた。それが今につながる、20代後半の転機です。 10代の私は中学から音大の付属に通っていたので、音楽家になることに疑いもなく。そのまま音大に進学したものの、自分がやりたいのはクラシックではないと気づきまして。次に向かったのがロックで、大学を辞めてバンド活動や作曲をしていました。その後、音楽を一度離れてアイスクリーム店で3年働き、新しい仕事を探していたところでパン屋さんと書店のバイトに両方受かった。待遇などの