【熊本地震】「補修できない全壊」と「補修できる全壊」の違い 建築&住宅ジャーナリスト 細野透 2016年 4月26日 わが家が「全壊」と聞いて泣いていたお母さん 熊本地震で住宅の被害が最も大きかったのは、震度7の地震に2度も襲われた、熊本市の東側に隣接する益城町(ましきまち)である。その避難所を訪れたテレビ局の記者の前で、40代から50代くらいのお母さんが泣いていた。 「近所の人が知らせてくれたのですが、わが家は全壊と判定されたそうです。もう帰る家がありません。これからどうすればいいのでしょうか・・・」 鉄筋コンクリート造のマンションなら、全壊と判定されても、地震後に補修・補強すれば元通りに住むことが可能なケースが少なくない。それに対して、木造住宅の場合には、一般的には補修・補強が難しいケースが多い。泣いていたお母さんは誠にお気の毒である。今回は「補修できない全壊」と「補修できる全壊」の