「だんご三兄弟」や「ピタゴラスイッチ」のプロデュースで有名な佐藤雅彦さんのコラム集「毎月新聞」(参照)が中公文庫の新刊になっているのを見て、ちょっと懐かしくなって買って読み直した。とてもよかった。美文というのではないのだが、これだけの現代的な名文コラムはないんじゃないか。しかも、名文コラムにありがちな、奇妙な力こぶも、鼻につくレトリックもない。なによりよかったのは、10年して読み直してこの文章の真価がはっきりわかることだった。 「毎月新聞」は、1998年10月21日から2002年9月18日まで、ほぼ4年に渡り、毎月、「毎日新聞」に掲載された。ミニチュア版の新聞の体裁で独自の四コマ漫画(実際には三コマが多い)と余録も掲載されている。たのしい洒落だ。そういえば、この手の趣向は山本夏彦氏の「「豆朝日新聞」始末 (文春文庫)」(参照)にもあった。 紙面の体裁は、文庫の表紙にも生かされている。この体