がんの第四の治療法「免疫療法」 近年、手術療法、放射線療法、薬物療法のがん三大治療法に続く、第四の治療法として台頭してきた「免疫療法」。「体内に備わっている免疫細胞を利用して、がん細胞を抑制すること」をコンセプトにする治療法であり、従来の「がん細胞をダイレクトに死滅させること」を目的とする薬物療法・放射線療法や、「がん自体を切り取る」手術療法とは根本的にアプローチが異なる。 しかし、期待を背負って登場したものの、民間では有効性がはっきりしないまま高額の治療費を患者に強いるケースも少なくない。「困っている患者を煽るだけの治療法」という懐疑的なイメージも広がりつつあるが、こうした混乱した状態の背景には大規模な臨床試験に基づくエビデンス(科学的根拠)が得られていないという課題があった。 そんな状況のなか、日本で保険適応の「新薬」が承認された。科学的に治療効果が裏付けられた免疫チェックポイント阻害