「塀のない刑務所」として、1961年から受刑者の開放処遇を行ってきた松山刑務所大井造船作業場から、4月8日に平尾龍磨受刑者が逃走した。 単純逃走容疑で逮捕されるまでの23日間、受刑者から容疑者となった平尾容疑者が潜伏しているとみられていた広島県尾道市の向島の住民は、不安な夜を過ごし、日常生活にも多大な影響が及んだ。平尾容疑者によるとみられる窃盗の被害も多数報告されている。 上川陽子法務大臣は、容疑者逮捕後、すぐさま地元を訪れ住民に陳謝した。一方で、開放的施設の再犯防止効果の大きさを強調し、理解を求めている。法務省も開放的施設の更生効果を強調しつつ、再発防止策などに追われている。 そもそも「開放処遇」とは何か? 全国にこのような開放処遇を実施している刑務所は複数ある。 大井造船作業場は、松山刑務所管轄の施設ではあるが、松山刑務所の本所とは地理的にも大きく離れた民間の造船会社の敷地内にあり、全