筆者が小学生だった昭和30年代、朝礼の日には校庭で鼓笛隊の奏する「君が代」に唱和しつつ、スルスルとポールを揚がる「日の丸」を見上げたものだった。だが、近頃は国民の祝日に小旗を玄関先に掲げることすら何となく憚られる。 安倍総理への支持も、最近は大っぴらに口にし辛い空気が漂う。筆者と同世代の高齢者や少し上の団塊の世代を前にしてはなおさらだ。学生時分の同級や会社の先輩、行きつけの店の飲み友達らも当然のことながら大半がこの世代。 彼らと世間話をしていると「安倍はダメだね」とか、甚だしくは「アベのヤローが」などという語が口を衝いて出してくる。筆者には、彼らがそのようにいうことが義務のように思え、とぼけて「そうですか、でもなぜ?」と問う。 すると「だってモリカケと来て、桜に黒川だろう、コロナ対策もダメ」などという。筆者は、給付金が遅いだけだろうと思いつつ、「モリカケねえ、で、安倍さん何をした?」と聞く