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ブックマーク / hirofujimoto.hatenablog.com (6)

  • 拙著『医学とキリスト教』内容紹介 (1) 本書の問題意識 - Blog: Hiro Fujimoto

    拙著『医学とキリスト教』が今月26日に出版されます。刊行まで1週間を切りましたので、今日から6日間、書の内容の簡単な紹介をおこなっていきたいと思います。 医学とキリスト教: 日におけるアメリカ・プロテスタントの医療宣教 作者:藤 大士 法政大学出版局 Amazon 今回の記事では、書の問題意識などについて、序論を中心に紹介したいと思います。 書は医学史の研究です。これまでに日の近代医学史について分析してきた研究者たちは、ドイツ人医師が日の医学界に与えた影響に注目していました。実際、東京大学医学部の前身校にはドイツ人医師が雇われ、ドイツ語によって医学が教えられていましたし、多くの日人医師は医学部卒業後、ドイツに留学し、最新の医学を学ぼうとしました。しかし、興味深いのは、幕末から来日しはじめた西洋人医師に注目したとき、ドイツ人医師をはるかに上回る数のアメリカ人医師がやってきてい

    拙著『医学とキリスト教』内容紹介 (1) 本書の問題意識 - Blog: Hiro Fujimoto
  • 対ロ交渉過程にみる鎖国祖法観の形成:藤田覚『近世後期政治史と対外関係』(2005) - Blog: Hiro Fujimoto

    藤田覚「第I部第1章 鎖国祖法観の成立過程」『近世後期政治史と対外関係』東京大学出版会、2005年、3–20頁。 近世後期政治史と対外関係 作者: 藤田覚出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2005/12メディア: 単行 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る 鎖国はいつ、何を契機に「祖法」となったか。これが書の第一の問いであり、そのことを日ロ関係史をみていくことで明らかにしようとしている。幕末の日は、鎖国が祖法であるという理由によって、新たな国との交易を退けようとしていた。そこでの祖法とは、対外関係が朝鮮・琉球・中国・オランダだけに限られていたこと、そして、それ以外の国との新たな関係はもたないことが宣言されたものである。しかし、しばしば鎖国のはじまりと目される寛永鎖国令の段階では、単に海外との交渉が制限されているという曖昧な意味内容しかもっていなかった。つま

    対ロ交渉過程にみる鎖国祖法観の形成:藤田覚『近世後期政治史と対外関係』(2005) - Blog: Hiro Fujimoto
    florentine
    florentine 2016/06/08
    「定信はラクスマンに国法の規定に沿って対処していることを示すために、寛永鎖国令から約150年の歴史的事実を部分的に脚色することによって、「国法の創出」をおこなったのである」
  • 北方情報を得るために幕府が利用した情報ネットワーク:浅倉有子『北方史と近世社会』(1999) - Blog: Hiro Fujimoto

    浅倉有子「第二章 寛政改革期における北方情報と政策決定」『北方史と近世社会』清文堂出版、1999年、39–76頁。 北方史と近世社会 作者: 浅倉有子出版社/メーカー: 清文堂出版発売日: 1999/02/20メディア: 単行この商品を含むブログを見る 寛政期の蝦夷地政策については、これまで松平定信による非開発政策が中心に検討されてきた。しかし、その後の幕府では開発論者も多くあらわれていることもあり、幕府の蝦夷地政策を連続的に捉える困難さがしばしば指摘されている。そこで論文は、寛政期に開発策を提唱した老中格・多忠籌(ただかず;1740–1813)の動向に着目することで、田沼政権から松平政権とその後の蝦夷地政策を一貫したものとして捉えることを試みている。その際、論が着目するのは、多忠籌がいかに北方に関する情報を手に入れたかについてである。そして、彼の有していた情報ネットワークに着目

    北方情報を得るために幕府が利用した情報ネットワーク:浅倉有子『北方史と近世社会』(1999) - Blog: Hiro Fujimoto
  • 対ロシア関係史から見る日本開国史研究の新たな視角:平川新『開国への道』(2008) - Blog: Hiro Fujimoto

    とある近代日史ゼミのアサインメントとして、日開国史をロシアとの対外交渉および当時の日政治状況と関連づけて論じた文献を読みました。なお、ロシアの日進出の背景にあった北太平洋交易ネットワークについては、同じく書の要約を書いているid:kosuke64さんのエントリ(コチラ)をご参照ください。 平川新『開国への道』小学館、2008年、第1〜3章。 開国への道 (全集 日歴史 12) 作者: 平川新出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/11/26メディア: ハードカバー クリック: 3回この商品を含むブログ (17件) を見る 書は対外関係史上の重要な論点をいくつか提示している。まず、江戸時代の日人知識人が対外情報を主体的に集め、政略に関する判断をしていたということである。安永4(1775)年、オランダ商館長フェイトはロシアが南進を企図しているため、はやく蝦夷地を日

    対ロシア関係史から見る日本開国史研究の新たな視角:平川新『開国への道』(2008) - Blog: Hiro Fujimoto
    florentine
    florentine 2016/06/08
    「これまでは対外危機が幕末の過激な攘夷思想や国粋主義を生みだしたと捉えられていたが、人びとが日本を帝国であると捉える見方がそういった考えを補強することにもなった可能性がある」
  • JARS年末研究会「ルネサンスの知のコスモス――都市、人間、自然」(2013年12月23日、於:学習院女子大学) - Blog: Hiro Fujimoto

    JARS年末研究会2013「ルネサンスの知のコスモス――都市、人間、自然」に参加しました。研究会は学習院女子大学の根占献一先生が代表をつとめる、科研基盤(B)「西欧ルネサンスの世界性と日におけるキリシタンの世紀」の一環としておこなわれたものです。個人的には今年最後となる研究会への参加でしたが、知的好奇心を駆り立てる多くの素晴らしい報告を聞くことができ、最高の一年の締めくくりとなりました。 JARS年末研究会「ルネサンスの知のコスモス――都市、人間、自然」主催:科研基盤(B)「西欧ルネサンスの世界性と日におけるキリシタンの世紀」、2013年12月23日、於:学習院女子大学。 http://www.geocities.jp/bhermes001/bhmeeting2013.html 岡北一孝さん (京都工芸繊維大学)の「アルベルティとローマ――ニコラウス5世の理想都市」は、ニコラウス5世

    JARS年末研究会「ルネサンスの知のコスモス――都市、人間、自然」(2013年12月23日、於:学習院女子大学) - Blog: Hiro Fujimoto
  • JARS第1回ウェブ対談 「平岡隆二 『南蛮系宇宙論の原典的研究』を語る!」(2013年4月27日、於:Google ハングアウト) - Blog: Hiro Fujimoto

    先週、平岡隆二さんの新刊『南蛮系宇宙論の原典的研究』出版記念イベントが開催されましたが、かなり反響があったようで、今日現在、YouTubeでは400回再生を超え、はてなブックマークも10個もついてしまうという人気ぶりです!ということで、せっかくなので一参加者として会の参加報告的なものをまとめてみようと思います。 JARS第1回ウェブ対談 「平岡隆二 『南蛮系宇宙論の原典的研究』を語る!」2013年4月27日、於:Google ハングアウト by「マルシリオ・フィチーノ」(YouTubeチャンネル) 視聴はコチラから! 研究をはじめたきっかけ:コペルニクス研究から南蛮系宇宙論研究へ [06:34〜] 最初に、やはり気になることは、書および書の元になった博士論文が完成するまでの経緯についてではないでしょうか。平岡さんと言えば、『ミクロコスモス』にコペルニクス研究を寄稿していることからもわか

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