化学メーカーなど日本の大手製造業が、人工知能(AI)をはじめとする情報科学の手法を応用し、材料開発の効率を高めるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を加速させている。製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の中核として、全社を挙げてMIに取り組み始めているのだ。 例えば旭化成は2019年に「MI推進センター」を設立し、これまでに全社で600人以上のMI人材の育成してきた。また同社はMIに必要となるデータを蓄積するためのデータ管理基盤の構築などを進めている。 三菱ケミカルホールディングスがグループ全体でMIを推進する「マテリアルズ・インフォマティクス CoE(Center of Excellence)」を発足させたのは2018年6月のことだ。住友化学は2019年4月に全社的なDX部門として「デジタル革新部」を新設。社内のデータサイエンティストを同部に集結させて、MIの取り組