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ブックマーク / 1000ya.isis.ne.jp (3)

  • 1040 夜 | 松岡正剛の千夜千冊

    今日のあまたの現代小説、なかでも村上春樹や吉ばななや江国香織に代表され、それがくりかえし踏襲され、換骨奪胎され、稀釈もされている小説群の最初の母型は、倉橋由美子の『聖少女』にあったのではないかと、ぼくはひそかに思っている。 しかし今夜は、そのことについては書かない。その程度のことなら、『聖少女』を読んでみればすぐわかるはずのことである。そのかわり、ぼく自身がずっと倉橋由美子を偏愛してきた理由をいくつかに絞って書いておく。 大学2年か3年のときだったから、もう40年ほども前のことになるが、『聖少女』を読んだときの衝撃といったら、なかった。どぎまぎし、たじろぎ、そして慌てた。 いろいろな衝撃だったけれど、その感想を大別すれば二つになる。ひとつには、こういう小説がありえたのかと思った。こういう小説というのは、男女の関係を奔放な文体と告白で克明に綴っていることそのものが、実は文面上もフィクション

    1040 夜 | 松岡正剛の千夜千冊
  • 松岡正剛の千夜千冊

    先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、

    松岡正剛の千夜千冊
  • 松岡正剛の千夜千冊

    先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、

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