自由貿易で滅んだ国はないし、保護貿易で栄えた国もない。1930年代にスムート=ホーレイ法などの保護主義によって世界経済が崩壊したことを教訓として、ナショナリズムを超えて自由貿易を進めようというのがGATTやWTOの精神です。その何が問題なのか、TPP反対派の主張を論理的に理解することは困難です。 反対派の代表格である中野剛志氏が主張していることは、「TPPで輸出は増えない」ということと「安い農産物の輸入が増えてデフレになる」という2点につきます。輸出がそれほど増えないというのは正しいが、それがどうしたのか。輸入が増えたらなぜ困るのか。 中野氏は「関税が撤廃されて米の価格が下がっても、ひとりひとりの消費者には大したメリットがない」という。たしかに米の年間消費量は1人約60kgだから、778%の関税が撤廃されて10kgで3000円の米が400円になっても、年間15000円ぐらいの節約にしかなり
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