日本の鉄鋼業が排出するエネルギー起源の二酸化炭素(CO2)は2006年度で1億9326万tであり、これは産業部門におけるCO2排出量の約42%を占める。日本の総排出量に対しても実に14%強にあたり、鉄鋼業界の取り組みが、国内のCO2削減で大きな役割を担うことになるのは間違いない。一方で、日本の鉄鋼業のエネルギー効率は、オイルショック以降の巨額の省エネ投資もあって、原単位あたりの数値では世界最高。ここから、さらに省エネを図るためには「乾いた雑巾」を絞るような努力が必要になる。日本の鉄鋼業がさらなるCO2削減を実現するためには、革新的な技術の登場が不可欠だ。 経済産業省が今年3月に発表した「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」では、こうした事情から「革新的製鉄プロセス」が取り上げられている。ここに記載された主要な技術は、「高炉ガスからのCO2分離・回収技術」と「水素を還元材として用