時は1979年。米国の作家ジョン・アップダイク氏のシリーズ小説の主人公、ハリー・アングストロームこと「ラビット」が妻に向かって、1万1000ドル以上も費やして30個のクルーガーランド金貨を買った理由を説明している。 「金の素晴らしさは、悪いニュースを愛するところなんだ」と彼は語る。 それから30年。絶望感が漂う中で、金は再び活況を呈している。クリスマス前には800ドル前後で買えた1トロイオンス(約31グラム、以下オンス)の金は、2月第3週には1オンス=1000ドル近い価格で取引されていた。 金価格が急騰した背景にあるのは、投資を目的とする金の需要急増だ。バークレイズ・キャピタルのスキ・クーパー氏によると、株主のために金を買って貯蔵する金ETF(上場投資信託)の新規買い付けは、1月の105トンから、2月は第3週までで208トンに上った。この分だと、2008年通年の新規買い付け322トン
(2009年2月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 世界最深の金鉱山となったアングロゴールド・アシャンティのムポネン鉱山。ここを訪れると、南アフリカ共和国の金産業が苦しんでいる理由が見えてくる。 2月初旬、ムポネン鉱山の内部には、爆破に使ったアンモニアの臭いがまだ漂っている。汗だくになった早番の炭鉱労働者の顔からは、集中した様子以外は何も読み取れない。だが前夜の爆破で、彼らは南アフリカ共和国の岩盤をさらに数メートル掘り進み、ムポネンは世界で最も地下深くにある金鉱山になった。 しかし、アングロゴールド・アシャンティの旗艦事業に対する経営陣の誇りだけでは、1970年代のピーク時に世界の金の3分の2を生産していた南ア金産業の末期的な衰退を逆転させることはできない。 ピーク時には世界の金の3分の2を生産していたが・・・ 現在、南アの鉱山は金供給量全体の10%足らずを占めるに過ぎない。
2008年の南アフリカ共和国の金生産量はボーア戦争以来最低の水準まで落ち込み、中国、そして米国に続く世界第3位の産金国に転落した。 南アの産金量は推定14%減少し、1901年以来最悪となる減少幅を記録した。 先日「ゴールド・サーベイ2008」を刊行した貴金属コンサルティング会社ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ(GFMS)によると、厳しい電力供給制約、業界全体に広がる熟練労働者不足、鉱山安全手順の見直しなどの影響で、南アの産金量は2007年実績から38トン減少し、232トン(暫定値)となった。 減少幅は1901年以来最悪、米国にも抜かれ3位転落 中国の生産量は3%増の288トンと、世界最大の産金国としてリードを広げる一方、米国の生産量は2%減少して234トンとなった。中国はわずか1年前に南アから首位の座を奪ったばかりだった。 世界第9位の金生産者で、南アの3大金メジャーの
(2008年12月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) エネルギーブローカーのロバート・ローリン氏は、クリスマスが近づく1998年暮れのロンドン国際石油取引所のピリピリした雰囲気を覚えている。「完全にカオス状態だった」とローリン氏。「世界は深刻な景気後退の真っ只中、誰も石油を買おうとしなかった」 日本と並び、アジアの多くの新興国も景気後退局面に入っており、ロシアはルーブルを切り下げ、国内債務をデフォルト(債務不履行)したばかりだった。 大陸の欧州諸国は目前に迫ったユーロ導入に沸いていたが、米国と英国はその他多くの国とともに成長が減速していた。国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しで、「今の危機」に対処するためにどんな手を打つべきか、あれこれ論じていた。 ブレント原油が史上最安値をつけてから丸10年 石油市場はその答えを知っていた。「売り」である。今からちょうど10年前の
We've detected unusual activity from your computer network To continue, please click the box below to let us know you're not a robot. Why did this happen? Please make sure your browser supports JavaScript and cookies and that you are not blocking them from loading. For more information you can review our Terms of Service and Cookie Policy. Need Help? For inquiries related to this message please co
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く