埋蔵量の豊富さや開発リスクの低さなどメリットが多いオイルサンド事業だが、課題もある。まず、生産コストの上昇だ。主要な採掘方法の一つである地下採取法「SAGD(Steam Assisted Gravity Drainage)法」では、大量の水蒸気を地下に圧入し、ビチューメンの流動性を高めて採取する。この水蒸気をつくる際の燃料として大量の天然ガスが必要となるため、生産コストに占める天然ガスの費用がほぼ半分に達する。また、ビチューメンから合成原油を生産する際にも大量の天然ガスを使用する。石油価格が上昇すると、連動して天然ガスの価格も上がり、オイルサンドの生産コストが上昇してしまうわけだ。 資機材価格の高騰も生産コストに影響する。オイルサンドの開発では大量の土砂を処理するうえ、天然ガスを分解して取り出した水素をビチューメンに結合させる工程があるため、非常に大規模なプラントが必要になる。資機材価格
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン カフカス地方で勃発したロシアとグルジアの武力衝突。ロシア軍はグルジアを屈服させ、この地域におけるロシアの覇権を再び誇示し、米国の威信を大きく傷つけた。 だが、この地域の外交や戦争には、覇権争いや人命喪失だけでなく、石油やガスを巡る思惑が絡む。今回の紛争に勝ったロシアは、カスピ海周辺の350億バレルの石油と膨大な天然ガスの権益を巡る争いで優位に立った。敗者は恐らく米国と西側の石油会社だろう。欧米企業はいまだに比較的自由に活動できる数少ない地域の1つとして、カスピ海に莫大な投資をしてきたからだ。 ロシアを迂回する輸送網 紛争の焦点は、旧ソ連諸国から世界市場にカスピ海産原油を輸送する広大なパイプライン網にある。 米政府は英BP主導の国際投資連合と組
空前の原油高で石油輸出国機構(OPEC)加盟国の原油収入が急増している。米エネルギー省によると、OPECの2008年1〜6月の原油収入は6450億ドルで、07年通年の6710億ドルに迫る勢い。08年通年は前年比で倍増し、史上最高の1兆2510億ドル(約140兆円)に達する見通しだ。 原油先物相場は7月半ばに1バレル=150ドルに迫った後、下落に転じたが、産油国の大幅増収は揺るぎそうもない。 潤沢なオイルマネーに物を言わせOPEC諸国は中国などアジア新興国からの輸入を拡大、日本や欧米への投資を強化しており、減速傾向を強める世界経済の下支えに貢献している側面もある。 湾岸諸国は2けたのインフレに苦しむ国が多く、支出削減を検討中で、今後、行き場を失ったオイルマネーの海外進出が加速しそうだ。
ハリケーン『グスタフ』は、米国石油施設を直撃するか 2008年8月29日 経済・ビジネス コメント: トラックバック (0) Alexis Madrigal 大きな画像は、米Kinetic Analysis Corporation社提供の『Google Earth』レイヤーを用い、米国の石油掘削施設の所在地を示したもの。左下に挿入された画像は、米海洋大気局(NOAA)によるハリケーン進路予想図。 ハリケーン『カトリーナ』のルイジアナ州上陸から3周年となる8月29日を控え、メキシコ湾は新たなハリケーンを迎えようとしている。今回のハリケーンは、エネルギー産業に特に大きな打撃を与えるおそれがある。 政府による当初の予報によると、この熱帯暴風雨『グスタフ』は、メキシコ湾にある石油関連施設の中心部へと直進しているという。しかもこの暴風雨は、非常に強い勢力を持ったハリケーンに成長するかもしれない。 上
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「オイルサンド」は、地表から比較的浅い地層に堆積している砂の表面に「ビチューメン」と呼ばれる粘性の高い重質の油分が付着したもの。「タールサンド」とも呼ばれる「非在来型」の超重質油である。非在来型石油に明確な定義はないが、一般的には、通常の原油や天然ガスに随伴するNGL(天然ガス液)以外のものを指す。オイルサンド以外にも、岩石に油分を含むオイルシェール(油母頁岩)、天然ガスからつくる合成油であるGTL(Gas To Liquid)、石炭を液化してつくるCTL(Coal To Liquid)、植物から製造されるバイオ燃料なども非在来型石油である。 以前は、原油の可採埋蔵量を算出する際にオイルサンドは含まれていなかったが、2002年に『オイル&ガス・ジャーナル(OGJ)誌』がオイルサンドを含めた量を埋蔵量として発表した。OGJ誌は1902年に創刊された米国の石油専門誌であり、原油埋蔵量の研究で
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン John Carey (BusinessWeek誌、ワシントン支局上級記者) 2008年8月4日発行号カバーストーリー 「The Real Question: Should Oil Be Cheap?」 米ルイジアナ州アミテで操業する鋳造・機械加工メーカーのアミテ・ファンドリー・アンド・マシンは、米製造業の屋台骨を実直に支えている企業の1つだ。同社の敷地では、廃棄された大量のくず鉄を1500度の溶鉱炉で溶かし、トラックの部品や油田掘削装置、その他重機部品へと再生させている。ニューヨークの世界貿易センター(WTC)に使用されていた30トンの金属を米海軍のドック型揚陸艦「ニューヨーク」の艦首としてよみがえらせたこともあった。 だが、業績好調だった
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